インバウンド受け入れ 課題掘り起こしへ 食と農の景勝地 業者招きモニターツアー【一関】
インバウンド(訪日外国人旅行者)の受け入れを促進するため、農林水産省の「食と農の景勝地」に認定された一関市・平泉町のモニターツアーが15日、始まった。17日まで2泊3日の日程で、旅行業者らが両市町を視察して外国人旅行者の訪れやすい環境を整備するための課題を探り、地元担当者と意見を交わす。
県南広域振興局と同市、平泉町、世界遺産連携推進実行委員会、一関もち食推進会議が連携して実施。JTBなど旅行会社から旅行商品作りの担当者ら5人を招聘(しょうへい)した。
モニターツアーは、県南ならではの食事や体験ができる約20カ所で構成。中尊寺や猊鼻(げいび)渓といった定番の観光地のほか、119メートルの長い廊下が特徴的な旧達古袋小学校や砂金採りなどの観光資源も盛り込まれた。最終日は「街歩きコンテンツ」として一関市街地の店舗や公園、歴史的施設を交通機関を使わずに巡る。
初日はJR一ノ関駅前の地域活性化拠点「一BA」で参加者が顔を合わせ、同会議の佐藤晄僖会長が「この地域にはいろいろなものがあり、テーマをまとめるのは大変。今回案内する以外にもコースは幾通りも考えられる。外の目から見て、忌憚(きたん)のない意見をいただきたい」とあいさつした。
業者からは「官民一体となって動いている一関でモデルをつくらせてもらいたい」「ただコンテンツを掘り起こすだけではなく、インフラを含む社会課題をどう解決させるかも観光の力だ」などと協力的な声が聞かれた。
参加者は厳美渓、市博物館を見学後、道の駅厳美渓で餅のオードブルを試食。業者は「バイキングなら御膳よりも好きな物を選んで食べられる」「食べる順番は、あんこ餅が先。他は料理餅といわれ、最後にお雑煮が出る」などの説明を受け、地元の食文化に理解を深めた。
16日は達谷窟(たっこくのいわや)や毛越寺など平泉町内を見学するほか、岩谷堂箪笥(だんす)製作所など奥州市にも足を延ばす。17日は一関市内で農家レストラン、舞草神社、遊水地などを訪れ、最後に意見交換会が開かれる。