郷土の発展に貢献 岩手日日文化賞贈呈式 努力、研鑚たたえる
岩手日日新聞社の第35回岩手日日文化賞贈呈式は26日、一関市山目のベリーノホテル一関で行われた。芸術・文化、産業・伝統工芸、地域振興の各分野で活躍している2人と2団体に文化賞を贈ったほか、児童生徒らを対象とした学生賞で1人を表彰し、優れた功績をたたえた。【13面に関連】
文化賞は、民謡舞踊団体「菊勝会」会主として慰問公演を1700回続けた菊地勝一さん(90)=奥州市江刺区=が芸術・文化部門で、成島和紙を唯一継承する青木一則さん(55)=花巻市東和町=が産業・伝統工芸部門で、地域活性化のために1978年から土器を作るまつりを継続して2017年に40回の節目を迎えた萩荘野焼(のやき)まつり実行委員会(千葉貞悦委員長)=一関市萩荘=、北上川流域でのボート大会や環境保全活動、子供たち対象の自然学習などを手掛けるNPO法人北上川サポート協会(吉田達男理事長)=同市川崎町=の2団体が地域振興部門で受賞した。
学生賞は、17年12月のスノーボードワールドカップの女子ビッグエアで初優勝し、今月の平昌五輪の女子ビッグエアで4位に入賞した一関学院高1年の岩渕麗楽さん(16)=同市東山町=に贈られた。
式には受賞者をはじめ関係者約110人が出席。山岸学代表取締役社長は、文化賞と学生賞を受賞した個人と団体を紹介しながら「各界で努力と研鑚(けんさん)を積まれ、郷土の発展に貢献された模範となるべき方々。今後もさらなる活躍を期待申し上げる」と式辞を述べ、受賞者と団体の代表者らに賞状と盾を手渡した。
贈呈式に続く記念講演では、東京都在住で一関にゆかりがあるエッセイスト島地勝彦さんが「わが青春の都 一関」と題して語った。
岩手日日文化賞は、岩手県南、宮城県北地域の各分野で活躍する個人・団体を対象に1983年度に創設。今回を合わせ、学生賞を含めて84人、87団体が受賞している。
■菊地勝一さん 生まれて初めて立派な賞を頂いてありがたく、身に余るほどの光栄。皆さんの前で盛大に祝ってもらい、喜びでいっぱいだ。
■青木一則さん 賞を頂き大変うれしい。35年間も和紙を作ることができたのは使ってくれる人がいたおかげ。必要とされる限り作り続けたい。
■萩荘野焼まつり実行委員会・千葉貞悦委員長 地域を越えて皆さんに支えてもらった。まつりの炎を消さずにやっていきたい。今後もまつりを見守ってほしい。
■北上川サポート協会・吉田達男理事長 地域の身近なNPO団体として、川との触れ合いをテーマに、多くの皆さんに川と親しんでもらえる活動をしていきたい。
■岩渕麗楽さんの代理で出席の母恵里香さん 初めての五輪は楽しさと厳しさ、勝つことの難しさを教えてくれた。この経験を生かして4年後の北京五輪に挑戦したい。