奥州・金ケ崎

つながり支えに それぞれの7年報告 内陸避難者、支援者ら これから探りシンポも【奥州】

内陸避難者らが現在の心境や災害への心構えを語り合ったシンポジウム

 NPO法人復興支援奥州ネット(千田敏彦理事長)は10日、奥州市水沢区横町のメイプル地下で、東日本大震災で被災した内陸避難者らによる活動報告とシンポジウムを開いた。被災者と支援者がそれぞれの7年を振り返り、支援の現状と歩むべき未来を考えた。

 同法人の活動拠点施設・ホープラザ奥州などで9、10の両日開催した「東日本大震災内陸避難者きずな展」の関連行事。同施設が3月末で閉所するのに伴うもので、避難者の生活の移り変わりや支援活動の今を紹介する目的で開かれた。

 避難者らでつくる「奥州つばき絆の会」や同法人、市、市社会福祉協議会の関係者ら約60人が参加。佐藤まゆみ事務局長(59)が趣味活動や同市前沢区の「協働農場」で取り組む農作業の様子などを紹介したほか、避難者が練習を重ねた大正琴と踊りを披露した。

 シンポジウムでは被災者の菅原啓さん(77)=陸前高田市=、鈴木昭三さん(75)=奥州市水沢区=、村上貴和子さん(72)=同市前沢区=の3人と、NPO法人いわて連携復興センターの瀬川加織さん、市と市社協の担当者らが、現在の心境とそれぞれの観点から災害への心構えを語り合った。

 大船渡市赤崎町で被災した鈴木さんは、高校時代の級友の支えと勧めで2011年5月から奥州市水沢区に避難。7年間を振り返りながら「さまざまな活動を通して『ここで暮らしていく』という思いが強くなった。もっと皆さんと長く、仲良く生活していきたい」と話した。

 支えが必要な人と支援組織とをつなぐ瀬川さんは「被災者に寄り添う団体の横のつながりをつくることや情報共有が大事」と強調。「自立再建する人、地元に戻る人などさまざまな状況があり、これからは個別のケアがより重要になる。“つながり”の継続が必要になってくる」と訴えた。

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