いわにちリビングun特集「保護猫カフェ」で、私たちができること。
近年広がる「猫ブーム」。雑誌で猫の特集が組まれたり、飼育頭数が犬を追い越したりと猫人気が高まる一方で、殺処分される猫は全国で年間およそ4万5000匹(平成28年度)にも上ります。猫も、人も、心地よく安心して暮らせる社会をつくりたい。そんな思いを原動力に2014年オープンしたのが、盛岡市にある「保護猫カフェもりねこ」。今回の特集では、保護された猫たちと新しい家族との出会いをつなぐ「もりねこ」の取り組みを紹介します。
盛岡市菜園のビル2階にある「保護猫カフェもりねこ」は、NPO法人もりねこが運営する「譲渡型保護猫カフェ」。野良猫、飼育放棄など、さまざまな事情で保護された猫の里親探しを目的としています。
受け付けを済ませて「猫ルーム」に入ると、それぞれのお気に入りの場所でくつろぐ保護猫たち。マイペースで「接客」をしてくれる姿は、見ているだけで心が和みます。また同じビルの5階にはFIV(猫エイズ)のキャリア猫やハンディを抱えた猫たちが暮らすシェルターもあり、こちらでも里親を募集しています。
避妊・去勢をせずにいたら増え過ぎて手に負えなくなった。野良猫に餌をやっていたら数が増え地域住民とのトラブルに発展してしまった。高齢や病気で飼い続けることができなくなった…。ここにいるのは、人間が「その先」を考えなかったために、行き場を失った猫たち。「もりねこ」では、そんな猫たちをボランティア団体や県内の各保健所から引き取り、ワクチン接種や避妊・去勢手術を行っています。年間およそ80匹が新しい家族の元へと「卒業」していくそうですが、受け入れ数には限りがあり、全ての猫を助けることはできません。
「私たちは“猫も人も幸せな社会”を目指し、“猫の殺処分ゼロ”を実現しようと取り組んでいます。そのためには里親探しだけでなく、これ以上不幸な猫を増やさない、という意識啓発も大切だと思っています」と話すのは、NPO法人もりねこの代表理事・工藤幸枝さん。「猫を家族に迎えるとき、保護猫という選択肢も知ってほしい」と、猫カフェの運営だけでなく、イベントを通じたPR活動や情報発信、保護に関する相談対応なども行っています。
殺処分ゼロを目指す「もりねこ」の活動費は、カフェの売り上げや寄付により賄われています。無理なくできる方法で、この活動を支えてみませんか?
猫と触れ合ったり、かわいい猫グッズを購入したりすることも、活動の支援につながります。
「猫を家族として迎え入れたい」と考えている人は、保護猫を選択肢に入れてみませんか?猫カフェに何度か通って、お気に入りの子を迎え入れる、という人も少なくないそうです。「家になじめるか不安」「先住猫との相性が心配」という人には、2週間の「トライアル(仮譲渡)」期間もあります。
※「完全室内飼い」「ペットOKの住宅に住んでいる」などいくつかの譲渡条件があります。詳しくは問い合わせを。
※譲渡の際には15000円の協力金(検査やワクチン代)をお願いしています。
イベントのお知らせ 「ニャンとも幸せ譲渡会」
4月14日・15日 12時30分~15時30分(譲渡会は14時~15時)
場所/イオンモール盛岡南
もりねこの保護猫たちの譲渡会のほか、写真展やワークショップ、ゲームなど、楽しいイベント盛りだくさん。
※譲渡会会場/ゲームセンターソユー屋外ミニ遊園地内
※譲渡には審査があります。当日のお譲りはできません
5月14日・15日には、奥州市水沢区「メイプル」でも開催します

賛助会員として年会費(一口3000円)を支払う方法や、トイレ砂やフード、おもちゃなどの「物品の寄付」、猫カフェの清掃やイベントのボランティアとして「時間を寄付」するなど、いろいろな寄付の方法があります。
<問い合わせ>
保護猫カフェもりねこ
盛岡市菜園2-6-6三栄ビル2階
019・613・7773
営/12時~19時(最終入場18時30分)
※土日・祝日は11時~
※5階シェルターは18時まで
休/火・水曜
http://morinekocafe.wixsite.com/morineko
撮影協力/保護猫カフェ もりねこ
電子新聞momottoで紙面未掲載写真を公開中