北上・西和賀

巨大わら人形 衣替え【西和賀】

地域住民らの手によって行われた巨大わら人形の衣替え

 西和賀町小繋沢の国道107号沿いに位置する巨大わら人形の衣替えが31日、現地で行われた。ボランティアの地域住民が町の西側入り口に位置する場所で地域の安全や無事を見守る巨大人形の身なりを整えた。

 1989年3月に当時の湯田農業改良普及所が“日本一”のわら人形として湯田牛乳公社の直売所「結ハウス」前に設置した人形で、同町白木野地区に伝わる厄払い行事「白木野人形送り」のわら人形がモデル。高さ5メートル、左右に広げた両手の幅は4・3メートルで、腰に2本の刀を携え、男性の象徴が前に突き出ているのが特徴だ。

 豪雪地帯で1年間にわたり風雨や雪にさらされて黒ずんでぼろぼろになるため、年度替わりに合わせ、住民が持ち寄ったワラを使って毎年行っている取り組み。同日は白木野地区の住民ら8人が足場に上って古い衣装を取り外し、新しいかみしもや腰巻、前掛けなどに取り替えた。

 直売所を訪れた人たちの中には、年に1度の大掛かりな“お色直し”に見入る人もいた。秋田県由利本荘市の菊地留美子さん(65)は「冬の間は足を運ばなかったのに、久しぶりに来てみたら去年に続いて作業を見ることができた」と笑顔を見せ、「(巨大人形の衣替えを目にすると)西和賀にも春が来たようだ」と喜んでいた。

 設置から30年近くが経過し、衣替え作業は第2世代に引き継がれる中、設置当初から取り組む髙橋美通さん(81)は「今年も地域が無事で安全であってほしい」と願っていた。

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