沿岸の早期復興願い 鬼剣舞 花見客へ勇壮な群舞【北上】
北上鬼剣舞連合会は15日、北上市立花の市立公園展勝地で、東日本大震災鬼剣舞復興祈願の舞を披露。犠牲者の鎮魂と沿岸被災地の早期復興を祈りながら、北上展勝地さくらまつりに訪れた花見客らに勇壮な群舞を見せた。
同連合会・鬼匠会の復興支援プロジェクトとして2011年3月の震災発生後、毎年さくらまつりに合わせて開催。今年は岩崎系の岩崎、岩崎新田、鬼柳、御免町、北藤根、相去、黒沢尻北の鬼剣舞7団体から、踊り手とはやし手の約120人が出演した。
供養式では鎮魂のはやしで慰霊し、関係者が焼香。その後、各団体の踊り手たちが笛と太鼓、かねに合わせ「一人加護」と「一番庭」で躍動感あふれる踊りを見せた。
各団体が桜並木で一斉に踊る圧巻の群舞に、来場者もじっくりと鑑賞。沿岸部で被災し、現在は市内に住む女性(72)は「はやしを聞くと思い出して涙が出てくる。はやし、踊りとも素晴らしい」と感心しながら見入っていた。
相去鬼剣舞で踊り手筆頭の一剣舞を務める松田岬さん(25)は「雨が心配だったが、やれて良かった。震災からの早い復興と供養の気持ちを込め、全力で踊った」と充実した表情を見せた。
会場では募金活動も行われ、来場者が善意を寄せていた。沿岸被災地の民俗芸能の支援金として贈られる。