遅咲き桜見頃に 展勝地【北上】
北上市で開催中の北上展勝地さくらまつりでは桜並木のソメイヨシノの多くは散ったものの、会場や周辺を含む「展勝地エリア」一帯では多種多様な桜が来場者を楽しませている。

まつり会場の市立公園展勝地桜並木そばのお花見広場ではシロタエ、ベニユタカ、ヨウキヒ、ショウゲツなどの里桜が咲き始めている。
2021年の展勝地開園100周年を見据え、5月中旬まで観賞できるよう同記念事業準備委員会が開花時期の遅い6種類の里桜を16年11月に植樹。17年は一部が咲き、今年は白や紅、薄紅の色を付けている。
同市北鬼柳の髙橋豊喜さん(42)は「並木がメインと思っていたが、こういう桜もいい。また違った魅力を発見できた」と、子供2人と共に見入っていた。
並木付近に位置し、展勝地開園時に援助した平民宰相・原敬にちなんで名付けられた「一山園」では、シダレザクラが見頃を迎えている。
札幌市から夫婦で訪れた長峯郁子さん(58)は「華やかできれい。(桜並木の桜が)散っても桜吹雪や緑、川もある。混雑もなく落ち着いて見ることができた」と堪能していた。
まつり会場から南側の北上市憩いの森では時期をまたいで多種類の桜が咲き、現在は桜と桃が共演。5月に入り本格的に咲く桜もあるという。
桜並木を見下ろす小高い陣ケ丘、みちのく民俗村を含む展勝地エリア一帯では新緑も出てきて、これからツツジの時期となる。北上さくらの会事務局の和賀匡彦さん(52)は「展勝地は桜並木だけでなくいろいろな楽しみ方がある。ぜひ展勝地エリア一帯を散策してみては」と勧めている。