花巻

ワイナリー建設へ 花巻・悠和会 障害者就労支援 構造改革特区を活用

花巻市の「花巻クラフトワイン・シードル特区」を活用した初のワイナリー建設と障害者就労支援に期待を込め、握手を交わす(右から)上田市長、宮澤理事長、竹村シニアオフィサー

 花巻市の社会福祉法人悠和会(宮澤健理事長)は2018年度、同市と日本財団(本部東京都、笹川陽平理事長)の支援を受け、障害のある人が働く果実酒醸造所(ワイナリー)の建設と醸造用ブドウの栽培に乗り出す。3者が1日、市役所で共同会見を開いて発表した。同市が内閣府から認定を受けた構造改革特区「花巻クラフトワイン・シードル特区」を活用した初の新規ワイナリーで、花巻産ワイン・シードルの産地形成を目指すとともに、障害者就労支援施設として工賃アップを図る。

 悠和会は、同市幸田地内で高齢者介護施設や障害者就労支援施設を運営し、障害者就労支援ではコメや野菜、リンゴの栽培と販売などを手掛ける。同市石鳥谷町などで栽培したリンゴではノンアルコールシードルとジュースを開発し販売。今回は新設のワイナリーでノンアルコールシードルの生産技術を生かして果実酒を醸造するほか、同市幸田の同法人施設北側の休耕田を活用して約1ヘクタールのブドウ畑を造成。今年度はリンゴのシードル醸造と、赤、白ワイン各3種のブドウ苗計400本の栽培に着手する。19年度に2000本を植栽し、23年度のワイン販売開始を計画している。

 同法人は農業従事者の高齢化による栽培技術の継承、障害者の就労支援と経済的・社会的自立を目指す。

 共同会見に臨んだ宮澤理事長は「花巻市は50年超のワインの歴史があり、次の50年、100年につながるワイン製造を目指したい。最初は評価を得られるのは難しいと思うが、10年後には世界と渡り合えるワインにしたい。障害者施設を受け皿にして栽培し、ワイナリーを生産基盤として全国からの若い人や生産者らが集い、交流ができる施設になれば面白いと思う」と抱負を語った。

 ワイナリー建設は、日本財団の障害者就労支援プロジェクト「はたらくNIPPON!計画」のモデル事業の一つに選ばれた。障害者の就労支援事業を助成し、月額工賃の向上を目標とする。会見に出席した竹村利道シニアオフィサーは「日本財団として岩手県内では過去最高額の助成で、東北初のモデル事業として成功を期待している」と述べた。

 花巻クラフトワイン・シードル特区の認定で、市内では花巻産果実を原料とした酒類の製造が小規模施設でも可能になった。市では今年度からワイナリー新規参入者に導入費用などを助成する事業を始めており、悠和会も整備に補助事業を活用する。上田東一市長は「悠和会はノンアルコールシードルを造る技術を有しており、クラフトワインにおいても素晴らしいものが製造されること、そして障害者の就労と賃金アップに貢献できるような取り組みに期待したい」と語った。

 悠和会が建設するワイナリーは就労継続支援B型事業所を兼ね、木造2階建て、延べ床面積約260平方メートルで計画。19年1月に完成予定。

 事業費は1億1000万円を予定し、日本財団が約6960万円を助成する。初年度はリンゴのシードル2000リットル(2600本分)の醸造を予定している。

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