一関・平泉

水質改善活動に光 吸川をきれいにする会 東北で唯一 河川功労表彰【一関】

吸川をきれいにする会が桜町中学校情報科学部と毎年継続している「吸川探検隊」の活動。地域住民が親しみやすい河川環境づくりに尽力している=2017年9月16日

 一関市の市民団体「吸川をきれいにする会」(佐々木良勝会長)は、日本河川協会の2018年河川功労者として表彰されることが決まった。00年に設立以来、市内の1級河川吸川で清掃や水質改善に向けた啓発など、地域住民や学校、企業、行政と連携した活動を継続的に実施してきた功績が評価された。表彰式は30日、東京都の砂防会館で行われる予定。

 同協会は1949年の創設以来、治水や利水、環境など河川に関するさまざまな観点から広く社会に功績のあった個人と団体を表彰している。今年は全国の50個人、39団体が河川功労者に選ばれ、吸川をきれいにする会は本県、東北の団体で唯一受賞する。

 吸川をきれいにする会は、99年に県が開いた吸川の河川整備を考えるワークショップの参加者を中心に翌年設立された。水質の汚染が目立っていた吸川での現況調査会を皮切りに、流域の企業との工業排水に関する協議や、市に対して家庭雑排水の浄化に関する陳情などを実施。県の河川関連計画・事業には地域住民の立場から積極的に提言するなどし、河川環境の改善に貢献してきた。

 また、吸川近くの南小学校と共同制作した歌「きらり吸川」をCD化したほか、吸川の水辺に設置された階段護岸の吸水(すいすい)公園で音楽祭を共催。桜町中学校情報科学部と編成する「吸川探検隊」による水生生物・水質の調査や、ホタル観察会も毎年継続するなど、親しみやすい河川づくりに尽力している。

 現会員は市民187人。設立当初から発行している会報は2017年12月で51号に達し、ホームページでも情報発信している。

 設立当初から入会し、3代目会長を務めている佐々木会長(76)=同市新大町=は「今回の受賞には驚いている。会を設立された先輩方の継続された活動と努力のたまもので頭が下がるとともに、光栄に思う。今後の励みにもなる」と喜び、さらなる活動に向けた意欲を新たにしている。

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