奥州・金ケ崎

火防祭のルーツ探る 武家住宅資料館春の企画展 初公開の半纏など50点【奥州】

奥州市武家住宅資料館で開かれている「江戸に学ぶ水沢町火消し展」

 春の企画展「江戸に学ぶ水沢町火消し展」が、奥州市水沢吉小路の市武家住宅資料館(佐々木慎一郎館長)で開かれている。水沢で起きた大火の記録を振り返っているほか、初公開の半纏(はんてん)など火消しの貴重な道具類を展示し、日高火防(ひぶせ)祭のルーツとされる歴史に迫っている。6月17日まで。

 近世、水沢では享保、天保、嘉永、安政に5回の大火に見舞われた。1735(享保20)年に発生した大火の後、当時の領主・伊達村景の命を受けた佐々木佐五平が江戸で火消しを学び、水沢の6町に「臥煙(がえん)組」を結成したと伝えられる。町火消し創設に伴う記念行事が同祭の発祥とする説がある。

 同展には佐五平像(まとい2本付き)や水沢大火絵図、普段は消防記念館に所蔵されている当時の消防ポンプ「生龍水」、火災の警報に用いた「板木」といった消防道具など約50点が並ぶ。

 昨年、水沢立町の旧家から見つかった初公開の半纏と頭巾には、水沢城と城下6町の繁栄を願った町割り「心」の文字がデザインされている。明治時代にも使われた最も古い半纏と推測され、水沢町火消しの歴史が垣間見える。

 今展について同館では「二十数年前に消防記念館などの所蔵品を中心に同様の展示を行ったが、今回は初公開となる資料も加えた貴重な品を展示した」と話している。

 開館時間は午前9時~午後4時30分。月曜日休館。入場無料。問い合わせは同館=0197(22)5642=へ。

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