岩手・宮城内陸地震 惨状、復旧活動伝え あいぽーと 写真、パネル100点展示【一関】
2008年6月に発生した岩手・宮城内陸地震から10年を迎えるのに合わせ、一関市狐禅寺の北上川学習交流館あいぽーとは、地震で落ちた同市厳美町の旧祭畤大橋や国道342号を覆い尽くした土砂崩れの現場など、震災を振り返る写真・パネル展を開催している。被災地で活動した関係者の声も紹介し、一瞬で多くのものを破壊する自然災害の恐ろしさを伝えている。7月1日まで。
同展は地震被害の記憶を風化させず市民の防災意識を高めようと、地震が発生した6月に開催。館内には地震で大きな被害を受けた同市厳美町の市野々原地区の写真をはじめ、各復旧活動について紹介するパネルなど約100点を展示している。
写真は、真っ二つに折れた旧祭畤大橋や何メートルにもわたって路面に生じた亀裂、土砂崩れによってできた天然のダムが決壊しないように昼夜を問わず行われた排水路の製作の様子などを伝える。
関係者の証言では、ヘリコプターで被災地域の救護活動に当たった消防士が「祭畤大橋の落橋など今まで見たことない光景が広がっていた。ヘリでは搭乗人数に限りがあり、すぐに全員を救助できず悔しい思いをした」と当時の様子を振り返っている。
館内には、土砂災害についての子供向けコーナーも設けられ、地滑りや崖崩れ対策など、全国各地で行われている防災対策をイラスト付きで分かりやすく解説している。
齋藤一公事務局長は「10年前にこのような災害が発生しただけで終わらずに、どんな被害があり、備えのためには何が必要かを逆算して考え、普段からの備えに生かしてほしい」と来館を呼び掛けている。
開館時間は午前9時~午後5時。月曜休館(祝日の場合は翌日)。問い合わせは同館=0191(26)0077=まで。