県内外

GSインバウンド対応 「指先確認シート」導入 県石油商業協組青年部【岩手】

油種などを多言語で表示し、外国人客でも簡単に意思疎通ができる「指先確認シート」
意思表示を簡素化

 インバウンド(訪日外国人旅行者)の増加を受け、県石油商業協同組合青年部(村田和士部会長)は、同組合に加盟する県内416カ所のガソリンスタンドに、指差すだけで意思表示できる「指先確認シート」を導入した。8言語とイラストで油種や支払方法を分かりやすく表記しているほか、「少し休みたい」といった要望も気軽に伝えられる。2019年のラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催などを見据え、外国人客へのおもてなしに力を入れる。

 シートは黄色いプラスチックボード(A4判)で、力士風の男性が描かれたユニークなデザイン。油種や給油量、値段、支払方法などを項目別に表示し、英語、韓国語、アラビア語、スペイン語など8言語に対応している。

 日本語を話せないなど、意思疎通が難しい外国人が来店した場合、シートを活用。「トイレを使いたい」「ここで少し休みたい」「体調が優れない」などの項目も記載され、給油以外のさまざまな要望に応えられる。「スタッフと一緒に写真を撮りましょう」といった遊び心のあるメッセージもあり、旅の思い出づくりにも一役買っている。

 観光庁の宿泊旅行統計調査によると、昨年の本県の外国人延べ宿泊者数は19万3040人(前年比46・2%増)で、前年に引き続き過去最多を更新。本県ではラグビーW杯釜石開催のほか、北上高地(山地)への誘致を進めている次世代の大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」の取り組み、花巻空港-台湾の国際チャーター便就航など、多くの外国人が訪れる機会が増しており、受け入れ態勢の強化は喫緊の課題だ。

 今回のシート導入は、全国の給油所の先駆けとなる取り組み。村田部会長は「シートにより、外国人客とスムーズにコミュニケーションが取れるようになった。給油所だけでなく他の施設でも応用できると思うので、インバウンド対策として全国に広めていきたい」としている。

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