ILC実現へ ノーベル賞受賞者招請 8月、都内でシンポ 岩手県推進協
県国際リニアコライダー推進協議会(会長・谷村邦久県商工会議所連合会長)は13日、次世代の大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」の誘致実現に向け、8月に東京都内でノーベル物理学賞受賞者を招いたシンポジウムを開催することを明らかにした。ILC計画の社会的周知を目的に、素粒子物理学関連の各研究機関や大学が実施。今夏が正念場とされる政府の態度表明の後押しにもつなげる狙いで、同協議会も共催団体の一つとして参加する。
同日に開かれた役員会で、谷村会長と東京大素粒子物理国際研究センターの山下了特任教授が明らかにした。
シンポジウムは、8月5日に東京都のお茶の水女子大講堂で開催。2017年にノーベル物理学賞を受賞した米カリフォルニア工科大名誉教授のバリー・バリッシュ博士と、現在の素粒子物理学を確立した最大の立役者として知られ、1979年に同賞を受賞した米物理学者シェルドン・グラショー博士が、ILCをテーマに一般向けに講演する。定員は1000人規模となる見込み。2人の来日期間中には、ILCの誘致実現を応援する「ILCサポーターズ」らから寄せられたメッセージを政府関係者に届ける活動も予定している。
山下特任教授は役員会の講演で、ILCの国内誘致をめぐる動きについて、2017年11月に国際会議で全長を縮小して初期投資を抑える「ステージング」が承認されたことを契機に国際的な理解や協力が進んでいるものの、国内における社会的な理解が不十分であると分析。「国内で周知されなければ、政府はILCの議論に向けて一歩を踏み出せない」とし、シンポジウム開催や同サポーターズ拡散の取り組みの重要性を示した。
同協議会では今後、シンポジウムの内容について関係機関と協議。詳細が決まり次第、ホームページなどを通じて参加者を募る予定だ。