花巻

省力化へ自動運転 大豆播種作業 GPS利用で高精度【花巻】

RTK-GPSガイダンス・自動操舵システムを搭載したトラクターでの大豆播種の作業に参加者が理解を深めた実演会

 花巻市農業振興対策本部(本部長・上田東一市長)は14日、自動操舵(そうだ)装置付きトラクターの農作業実演会を同市上似内の圃場(ほじょう)で開いた。全地球測位システム(GPS)などの位置情報を利用して高精度な作業を可能にしたトラクターでの大豆の播種(はしゅ)作業を行い、参加者が農作業のコスト低減・省力化に理解を深めた。

 同市が県中央農業改良普及センターと大手農機具メーカーと取り組んでいる実証事業の一環。ICT(情報通信技術)やロボット技術を導入したスマート農業による農業生産の低コスト化、省力化、高品質化の効果を検証し、技術の定着を図るのが狙い。

 同日は、農事組合法人「農プロ上似内」(阿部実代表理事、組合員29人)の大豆圃場1ヘクタールを会場に、生産者や市、県、農機具メーカーなど関係者40人が参加。「RTK-GPSガイダンス・自動操舵システム」を搭載したトラクターで播種作業を実演した。

 同システムは人工衛星とGPS地上基地局の両方から位置情報を取得することで、振れのない直進運転が維持できる高精度のトラクター操作が可能。畝を立てずに播種した場合や施肥、薬剤散布にも重複が省けるほか、目視が不要になるため夜間の作業に効果が発揮できるなどのメリットがある。

 参加者による試運転では、トラクターの運転席に装備されたモニターに示された直線に沿って直進する作業を体感。同市石鳥谷町滝田で水稲4ヘクタールを生産する髙橋亮介さん(38)は「ハンドルを握るだけの楽な作業ができる。作業や生産コストの無駄が省けることが分かった」と農業の新技術に理解を示した。

 同市内にはRTK-GPS地上基地局が4基(石鳥谷、宮野目、太田、南城)が整備されており、農プロ上似内では18年産米の作付けにRTK-GPSのガイダンス・自動操舵システムのトラクターを導入している。阿部代表理事(65)は「水稲以外に大豆、麦など86ヘクタール栽培するので、スマート農業の導入を進めていくことで地域農業の維持、後継者育成に役立てたい」と話していた。

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