北上・西和賀

足かけ10年 初の栄冠 連合民謡大会 伊藤さんが総合優勝【北上】

連合民謡大会で総合優勝を果たし、トロフィーを手に喜ぶ伊藤さん

 16日に盛岡市で開催された全国民謡連盟岩手支部連合会主催の第4回連合民謡大会で、北上市北鬼柳の伊藤忠義さん(72)が総合優勝に輝いた。民謡を習い始めて足かけ10年目で初めてつかんだ栄冠に、伊藤さんは「信じられない」と喜びを表現する。

 同大会は、年齢区分で寿年(77歳以上)、壮年(69~76歳)、成年(37~68歳)の3部門に県内を中心に約50人が出場。部門別の上位2位までが、決勝大会となるグランプリ争奪戦に進んだ。

 壮年の部に出場した伊藤さんは「南部木挽唄」を披露。グランプリ争奪戦でも文句なしの歌声とこぶしを会場に響かせ、念願の総合優勝を成し遂げた。

 これまでさまざまな民謡大会に30回ほど出場し入賞経験も多数あるが、優勝は初めて。伊藤さんは「緊張したせいか声が切れて長く続かなかったので、上位2位までに入ることはできないだろうと思っていたのでびっくりした」と部門通過に驚いたよう。「部門戦で失敗していたので開き直れたことと、1回歌ったことで緊張が解けたのかもしれない」と感じたように、グランプリ争奪戦では「今までで最高の出来」を審査員に披露した。

 幼少期、両親に連れられたびたび民謡ショーを鑑賞したのが民謡との出合い。勤務したJR時代は芸能サークルに所属し歌に親しんだ。定年退職後、知人の誘いで同支部に入会してから今年で10年目を迎える。秋田県出身ながら岩手に居を構えたのを縁に、好きな尺八の伴奏付きで本県の代表的な唄の一つ「南部木挽唄」を選曲した。

 伊藤さんは「ほかの人は何十年と経験があるベテランで、私が優勝するのは信じられない」とあくまでも謙虚な姿勢で、「地域でのボランティア慰問で自信を付けさせていただいた。タイトルを取ったら、周りから見られる目が違ってくるのでそちらの方が大変」と今後を気遣う。

 所属する同連合会北上支部の菅原重治支部長(70)は「こぶしの回しがきれいで優しい歌声。遠くないうちに良い結果があると思って期待していた。大きな賞を得るのは自然なことで、ますます良い唄を歌ってほしい」と期待する。

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