[NIE]新聞と歩む 復興、未来へ ◆花巻東高校
課題見つけ新聞づくり
2017年度にNIE新規実践指定校となった花巻市松園町の花巻東高校。「表現力の向上と主体的に意見表明に取り組む姿勢の育成」を掲げ、文章表現によって言葉の重みが実感できる学習に全校で取り組んでいる。
各学年で総合学習の時間を使い実践。各紙で報じられたニュースから問題点などを見つけて考える「課題作文」の製作などを行っている。
6月27日は、国語科教諭で同校NIE統括責任者を務める夏井友也教諭(44)らの指導で、3年生約180人が学んだ。一人ひとりが新聞記事を参考に、進路選択について紙面風にまとめた「進路新聞」づくりなどに挑戦。各教室には授業のために全国紙、地方紙、業界紙などが用意され、数紙を読み比べる生徒の姿もあった。
授業を受けた林颯太君(18)は、目に留まった経済ニュースやコラムを参考に記事を執筆。「文字が多くて難しい印象だったが、読んでみると、いろんな意見が発見できた。新聞は世の中を知ることができる」と発見できた様子。看護師志望という佐藤花音さん(18)も「医療コーナーや看護の記事などを切り抜いている。関連する話題が近くに掲載されているなど、新聞は内容が頭に入ってきやすい」と話し、理解を深めていた。
夏井教諭は「あるニュースに対し表層的なコメントしかできなかったのに、それについて自分で話し、解決策を書くまでになる生徒もいる。知識だけのレベルにとどまらず、ニュースを身近な出来事として捉えられるなど、徐々に変わってきたと感じる」と、新聞による教育効果を指摘する。
花巻東高校
私立の全日制普通高校。前身の花巻商業高と谷村学院高が1982年に合併し現校名となる。特別進学やアスリート特進などのコースを設置。硬式野球やソフトボール、サッカーなどスポーツが盛ん。小田島順造校長。生徒640人。花巻市松園町55の1。
momottoメモ
Newspaper in Educationの頭文字で、「エヌ・アイ・イー」と読む。「教育に新聞を」と訳し、米国で始まった運動で、わが国では1989年から新聞界を挙げて取り組んでいる。
◆花巻東高校 言葉の重み実感
◆北上コンピュータ・アカデミー 考える力を養う
◆奥州市立人首小学校 感謝伝える文章
◆一関市立磐井中学校 自分の意見持つ