一関・平泉

免許返納→卒業証書 県内初 千厩署が交付 交通安全 協力に敬意【一関】

千厩署が運転免許証を自主返納する高齢者に対して交付を始めた「卒業証書」

 千厩署は、運転免許証を自主返納する高齢者に対して「卒業証書」の交付を始めた。同署独自の取り組みで、県内の警察署でも初の試み。高齢者へこれまでの安全運転に敬意を表すとともに、今後も交通社会の一員として事故防止に協力してもらう考えだ。

 従来の免許証返納の手続きでは、返納者に免許取り消し通知書が交付されるが、「返納」「取り消し」といった言葉から長年大切にしてきた免許証の重みが感じられず、高齢者が寂しい思いをするという声が挙げられていた。そこで同署交通課は「返納」を「免許卒業」と捉え、「交通安全に協力してくれた感謝の気持ちを何らかの形で示したい」と卒業証書を交付することにした。

 卒業証書は「あなたは運転免許証を自主的に返納し、自動車の運転を卒業されました」などの文言と署長の名前入りで、返納者の名前と日付が入る仕様。自主返納時には併せて夜光反射材も交付される。

 同署が受理した過去5年の高齢者の免許証自主返納件数は2013年が26件、14年が44件、15年が105件、16年が127件、17年が168件と年々増加している。

 返納の理由としては▽病気を抱えていて安全な運転ができない▽高齢で運転に自信がなくなった▽家族に迷惑を掛けたくない-が多くを占めるという。

 同署交通課の岩野公伸課長は「卒業証書の交付は、運転を生きがいに免許を大切にしてきた人たちに対して感謝の気持ちを表すもの。高齢者の関わる事故は多いので卒業後も交通安全の意識を高く持ち、事故防止に協力してもらいたい」と期待を寄せている。

 卒業証書に関する問い合わせは同署=0191(51)0110=へ。

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