北上・西和賀

日中水墨画展で最高賞 稲瀬町の昆野さん 13回目、念願果たす【北上】

日中水墨大賞を受賞した昆野さん
日中水墨大賞受賞作の「秋声」

 北上市稲瀬町の水墨画家昆野墨舟=本名スミ子=さん(78)は、「日中国交正常化45周年記念公募 第35回日本・中国水墨画合同展」(日本・中国水墨画交流協会主催)で最高賞の日中水墨大賞を受賞した。40年にわたる創作活動の中で目標としてきた賞を受賞し、喜びをかみしめている。

 同展は3月9日から15日まで東京都台東区の東京都美術館で開催。2017年10月23日から11月4日まで全国各地と中国から応募があった231点の中から、昆野さんの「秋声」が大賞に選ばれた。

 昆野さんは奥州市出身。38歳の時に近くの文化祭で目にした作品に感銘を受け、水墨画を開始。夫の定年退職に伴い1996年に現在地に転居し、周囲の展勝地や国見山、樺山などの風光明媚(めいび)な風景に魅せられ、本格的に取り組むようになった。

 水墨画について「淡い色から中間色、濃い色までを一色で表現できることや描き直しができないのが魅力」と語る。今回の受賞作は、近所で散歩中に目にした光景をF50号に表現した大作。秋の虫が鳴く中で美しい姿を見せていた満月とハギを2日ほどで描いた。

 第23回から連続して出品し、13回目で念願の大賞を受賞。「望みを果たすことができてうれしい」と笑顔で話し、「これからもっと水墨画に取り組む人たちが増えてほしい」と願う。

 3日に昆野さんが北上市役所を訪れ、髙橋敏彦市長に作品(写真)と賞状を披露し受賞を報告した。髙橋市長は「北上の美しい風景を題材にした作品が大賞に輝き、喜ばしい」とたたえた。

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