北上・西和賀

スポーツ合宿続々 夏季で14団体 熱心な誘致要因【北上】

練習に励む東京女子体育大学陸上競技部員。充実した環境で各大学、高校が続々と合宿に訪れている=14日、北上総合運動公園補助競技場

 北上市には7月下旬から、高校と大学の部活動が続々とスポーツ合宿に訪れている。夏季合宿で計14団体に上り、既に2017年度通年の8団体を上回った。官民共同組織として昨年発足したスポーツリンク北上による熱心な誘致活動やワンストップの対応、北上総合運動公園などの充実した環境が主な要因とみられ、同リンクは一定の手応えを感じつつ、今後も冬のスキー合宿などの誘致に力を入れる。

 全国高校総合体育大会(インターハイ)や岩手国体など、数々の大型大会を成功させた北上市。合宿誘致に関する窓口を同リンクに一本化し、市は1団体(4日間以上、延べ100人以上)に交通費、宿泊費として最大50万円を補助している。

 同リンクは昨年、全国の各大学に封書で案内しインターネット交流サイト(SNS)でも周知。市内の関係者による人脈を生かしたり、旅行会社や各大学を直接訪問するなど誘致に努めてきた。

 各大学、高校の希望に応じて体育施設と宿泊施設を調整し確保。「不安なく快適に合宿してもらえるように」(同リンク)と、備品や弁当の手配なども含めきめ細かに橋渡し役を担っている。

 今回、夏季合宿で訪れたのは高校5団体、大学9団体で、4団体がリピーター。競技別ではラグビー6団体、陸上(駅伝含む)4団体、サッカー2団体で、アメリカンフットボール部とバドミントン部もある。

 練習会場は北上総合運動公園のほか、和賀川グリーンパーク、岩崎競技場など。特に、国体会場となった陸上競技場や補助競技場、広い天然芝、昨年新設した人工芝のグラウンド、体育館のある総合運動公園はニーズが高く、14日も複数の大学の部が活用した。

 昨年に続き約40人で合宿に来た東京女子体育大陸上競技部の佐々木大志投擲(とうてき)コーチは「新幹線で時間もかからずに来られる。非常に広い場所でゲージもあり、安心してハンマー投げ、円盤投げの練習ができる。(同リンクが)間に入って練習場所や施設のコーディネートをしてもらえる」と利点を強調。例年訪れている北里大陸上競技部の平野拓主将(3年)は「トラックは走りやすく投擲も安心してできる。いい環境で部員たちのモチベーションも上がる。来年以降もやらせてもらえれば」と語る。

 7月下旬には青森県内の三つの高校ラグビー部が合同で合宿。黒沢尻北、黒沢尻工の両校ラグビー部とも一緒に練習するなど、市内の団体とも交流する例も見られる。

 同リンクの平野華奈子次長は「グラウンド系を中心に多く誘致でき、満足して使ってもらっている」と手応えを語る。現在は首都圏の大学が多く、今後は近隣の東北地方、花巻空港に近い点も生かし名古屋近辺からの誘致も視野に入れている。

 一方、昨年度は冬の合宿利用はなかったことで、豊富な雪量の夏油高原スキー場も生かして「スキー合宿を誘致したい」と意気込んでいる。

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