一関・平泉

かがり火に躍動 中尊寺薪能で船弁慶【平泉】

かがり火の中、躍動感あふれる舞台が展開された「船弁慶 真之伝」の一場面

 中尊寺薪能の会(山平省一会長)が主催する「喜多流第41回中尊寺薪能」は14日夕、平泉町の同寺白山神社能舞台で行われた。今回は金色堂大修理50年記念として能「船弁慶 真之伝(しんのでん)」が1981年の第5回以来37年ぶりに上演され、かがり火の中、約700人の観衆が厳かな雰囲気の中にも躍動感あふれる舞台を堪能した。

 「船弁慶」は、源義経の心の支えだった静御前と、平家の武将平知盛の怨霊という全く違った役どころを、シテ(主役)が前後でそれぞれ務める演目。真之伝では知盛が白を基調とした格調高い装束をまとい、地謡や囃子(はやし)方を含めた構成が緩急を付けた迫力ある構成となっている。

 第5回に出演した佐々木宗生さんを父に持つ同寺ゆかりの能楽師佐々木多門さんがシテ、義経を能楽師内田成信さんを父に持つ利成君(小学5年)、ワキの武蔵坊弁慶は能楽師森常好さんがそれぞれ務めた。義経一行が乗る船が嵐に遭う場面では、狂言師の野村萬斎さんが船頭役として軽快な立ち回りを演じ、神奈川県藤沢市から訪れた久永理さん(62)は「中尊寺の薪能は初めて訪れたが、厳かな雰囲気の中で面白い演目を楽しませてもらった」と満足げに語った。

 「船弁慶 真之伝」に先立ち、仕舞「笠之段」「駒之段」「鐘之段」、和泉流狂言「水掛聟(みずかけむこ)」の2番も上演された。

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