北上・西和賀

雨中の時代絵巻 浮牛城まつり 大名行列を再現【北上】

降りしきる雨にもかかわらず、80人が勇壮に練り歩いた大名行列
腰元に傘を差してもらい、行列に花を添えたお姫様役の石川さん(左)

 江戸時代の大名行列を再現する第12回浮牛城まつり(実行委主催、岩手日日新聞社など後援)は16日、北上市口内町内で開かれた。降りしきる雨の中、80人の地域住民らが勇壮に大名行列を繰り広げたほか、民俗芸能公演や音楽イベントなども催され、訪れた人たちは地域の祭りを楽しんだ。

 同まつりは地域おこしの一環として2007年に開始。メインイベントの大名行列は、1866(慶応2)年に仙台詰めの領主が領内視察のために口内地区に戻った際の様子を再現している。

 ほら貝を合図に口内地区交流センター前を出発した大名行列。降雨のため予定より距離を短縮し、「下に、下に」の掛け声に合わせて約500メートルを練り歩いた。沿道に詰め掛けた人からは「頑張れ」と声援が送られた。引き続き口内小学校体育館を会場に、家臣が殿様を出迎えるシーンの再現や餅まき、音楽イベント、地域の伝統芸能披露などが行われた。

 大名行列の距離短縮は、小雨の中で行われた2014年の第8回以来。殿様役を務めたIBC岩手放送アナウンサーの菊池幸見さん(58)=盛岡市=は「皆さんもずぶぬれの中で役に成り切っていたので、こちらも負けていられないと思い切り殿様ぶって歩いた」と役を全う。一般公募でお姫様役を演じた一関中学校1年の石川叶夢さん(13)=一関市字沢=は「歴史が好きで挑戦した。みんなに笑顔で手を振ることができたことと、他地域の人と触れ合えたことが良かった」と満足げだった。

 実行委の昆野淳一委員長(53)は「出演者の声に勇気づけられ、本降りの中で大名行列を行った。本来ならもっと見せ場があったのに距離が短く残念だったが、練習の成果は十分出せた。観客にも何かを感じ取ってもらえたと思う」と振り返り、「来年は晴れることを期待し、これから1年準備を重ねたい」と次回に意欲を示した。

momottoメモ

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