久石さん 賢治楽曲語る イーハトーブフェスティバル プレート贈呈式も【花巻】
詩人で童話作家の宮沢賢治の魅力を探るイベント「イーハトーブフェスティバル2018」(賢治フェスティバル実行委員会主催)は25日、花巻市高松の宮沢賢治童話村で始まった。各界で活躍するアーティストの生演奏やトーク、映画上映などで盛り上がった。26日まで。
2014年に始まった「イーハトーブ・アニメフェスティバル」から数えて5回目。著名なゲストを迎え、芸術文化に大きな影響を与えた賢治の作品世界の魅力を多面的に発信しようと開催。初日はバイオリニスト川井郁子さんのコンサート、スタジオジブリ作品の作曲を手掛ける音楽家久石譲さんによるスペシャルトークを繰り広げた。
久石さんが音楽を担当した宮崎駿監督のアニメ映画「風の谷のナウシカ」の上映前に行われたトークでは、賢治の「星めぐりの歌」に触れた。電子ピアノで演奏しながら「サビが来た後にすぐに曲が終わってしまうという意外性がある。プロからは素人目に見えるが、この意外性の強さがみんなの心に残る。これに勝てるメロディーはない。今もドラマのBGMにわらべ歌のような曲を作っているが、星めぐりの歌を超える曲をと思っている」など賢治に触発された曲作りに励んでいることを語った。
ジブリ作品「となりのトトロ」と「千と千尋の神隠し」の挿入曲を演奏し、会場に詰め掛けた来場者を喜ばせた。

同日は賢治童話村が昨年、「日本のアニメ聖地88」に選ばれたことを受け認定プレートの贈呈式が行われ、認定団体のアニメツーリズム協会(富野由悠季会長)の鈴木則道専務理事が上田東一市長に手渡した。プレートは同村「賢治の学校」に掲示される予定。
最終日は午後4時から声優で歌手の坂本真綾さんのコンサートと朗読、5時からスタジオジブリ代表取締役プロデューサーの鈴木敏夫さんのスペシャルトークを予定。6時30分からは映画「風の中の子供」(1937年作)が上映される。入場無料。