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人手不足で減便 県交通・高速バス花巻池袋線 週末3日運行に【岩手】

 県交通は、県央部や県南部と東京を結ぶ夜行高速バス「イーハトーブ号(花巻池袋線)」を9月下旬から週末運行とする。運転手の退職による人手不足が原因で、毎日の運行から週3日に減便する。

 イーハトーブ号は紫波町の紫波中央駅を発着点に花巻、北上、金ケ崎、奥州、平泉、一関の各市町を経て東京・池袋を結ぶ。1990年に運行を開始し、上下ともに毎日運行。同社にとっては収益力の高い路線として定着してきた。

 同社によると、運転手を中心に来月末ごろにかけ4人が退職する見込み。人手のやりくりがつかず、夜行バス減便で対応せざるを得なくなった。

 同社の田村清隆取締役乗合自動車部長は「(地域の重要な足である)通学、通勤のバスをやめるわけにはいかない」と説明。夜行バスが週末のみの運行となり「収益力は落ちるが、それ以外に方法はない」と苦渋の表情を浮かべる。

 上りは23日、下りは24日までこれまで通り運行。その後は上りが木-土曜日、下りは金-日曜日に走る。今月下旬は上りが24-26日に運休し27-29日に運行、下りは25-27日に休み28-30日に営業する。

 当分の間はこの態勢で運行するが、祝日や年末年始などはこの限りではなく対応する。同社は運転手を確保できれば、平日を含めた運行を再開したい考えだ。

 大量採用している大手半導体企業へ転職する退職者もいるとみられ、29日の北上市地域公共交通会議で、田村取締役は「一気に地域雇用に影響が出て、ハレーションが大きい。運休したくはないが、これがバス事業者の実情」と吐露。人手不足は、地域の公共交通にも影響を及ぼしている。

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