北上・西和賀

口内の味どうぞ 地元原料使用発酵プルーン あすから発売【北上】

9月1日に発売される口内町産の原料を使用した加工食品「発酵プルーン」

 北上市口内町の口内プルーン加工グループ(菅野良和代表)は9月1日、2018年産地元原料を使ったプルーン加工食品「発酵プルーン」を同町の産直「あぐり夢くちない」で発売する。半生状のセミドライフルーツで、関係者は「手作りの味を多くの人に味わってほしい」と新たな特産品への成長に期待している。

 同グループは、同産直を運営する直売センター北上協同組合と同町宝積の農業菅野喜久子さん(54)が設立し、市の補助金を活用し16年度から取り組みを開始。喜久子さんが今年8月、自宅に加工場「志田森KITCHEN」を構え、生産を本格化させた。

▲口内町で栽培され、たわわに実るプルーン。今年は豊作だという

 商品は、砂糖を加えたプルーンに一定時間温度を加え、染み出すエキス分と分離した後、種を取って乾燥機で水分を飛ばす工程を経て約3日がかりで仕上げる。原料の収穫時期は一般に9~10月だが、今年は例年より1~2週間ほど生育が早く豊作だということで、お盆すぎに地元生産者から出荷体制が整ったとの連絡を受け加工作業に入ったため来月から発売可能となった。

 プルーンは健康や美容の面で注目され、女性を中心に人気食材の一つとなっている。日本で国産品が出回る機会が少ないことから、産地限定原料で作られる加工品は希少価値が高い。試作だった16年度は147袋、17年度は405袋を製造。東京・銀座にある県のアンテナショップ「いわて銀河プラザ」からの引き合いも強く、18年度は1000袋の販売を目指す。 同町では十数軒の農家がプルーンを栽培。喜久子さんは農家から譲り受けたプルーンを使って自家消費用に加工していたが、良和代表の目に留まり、試行錯誤を重ねセミドライタイプの商品開発にこぎつけた。

 同町は稲作とリンゴ栽培を中心とする典型的な中山間地で、新たな特産品開発は地域にとって大きな活力となるだけに、良和代表は「全国的にも珍しい価値ある商品を、口内町の特産品として積極的に売り込みたい」とし、「昨年プルーンの苗木を産直の組合員に配布したので数年すれば相当の収穫が期待できる。加工だけでなくもぎたて商品も産直に並べたい」と地元を含めた認知度アップに力を込める。

 加工に当たる喜久子さんは「程よい甘酸っぱさが特徴で、料理のレパートリーが広がる。原料と砂糖だけを使った安心できる自然食品。多くの人に手にとってもらいたい」とアピールし、「口内と言えばプルーンと思ってもらえるよう全国に広めたい」と意欲を示す。

 1袋(100グラム入り)税込み460円。問い合わせは同産直=0197(69)2200=へ。

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