北上・西和賀

商店街に若手起業者を 諏訪町振興組合 大学生が活性化策提案【北上】

諏訪町商店街の活性化に向け提案する小松さん(左)

 インターンシップ制度を初導入した北上市の諏訪町商店街振興組合(阿部眞希男理事長)などは4日、商店街活性化企画の発表会を同商店街内のスパットビルで開いた。受け入れた大学生は「諏訪町商店街をスタートの街にする」をキーワードに、空き店舗への若手起業者の呼び込みを含めた活性化策を提案した。

 受け入れたのは群馬県立女子大文学部美学美術史学科3年の小松瑞枝さん(21)=遠野市出身、群馬県玉村町=。同商店街は、大学生の柔軟なアイデアを商店街の活性化に生かそうと、8月29日から今月4日までの5日間、初めて受け入れた。

 発表会には、同商店街や市、北上雇用対策協議会の関係者など約20人が参加。小松さんは後継者不足や中年層の少ない客層、駐車場の少なさなどを課題に挙げ、道路については一方通行や縁石を変えたり、駐車場の確保やコミュニティースペースの整備、工業と連携したグッズ販売、共通カードの発行、高校生によるシャッターへの描画などさまざまなアイデアをメリットとデメリットを示して提案した。昼営業の軽食店や昼夜交代でスイッチする店舗の営業、朝市など継続イベントの開催といった企画もあった。

 起業が商店街の盛り上げにつながるとの考えで、若い世代を呼び込むための商店街ツアーも提案。「北上駅から近距離で空き店舗が多く、チャレンジショップの存在や人口の多さなど起業しやすい環境にある。SNS(インターネット交流サイト)やクラウドファンディングを活用し、諏訪町商店街をスタートの街にしてはどうか」と呼び掛けた。

 同組合の若手で作るチーム諏訪町の鬼柳洋代表(44)は「我々があきらめていたり、気付かなかった点が多々あり、ありがたい。一つでも実現できれば成功だと思うので、再訪時に小松さんが変わったと思えるような商店街にしたい」と意欲を新たにした。

 商店街がインターンシップに取り組むケースは全国的にも珍しく、県内では初めて。岩手大の船場ひさお特任准教授は「他人事ではなく自分がプレーヤーになることまで考え、提案したことが素晴らしい。大人同士では言いにくいことも大学生だと言えたり、緩衝剤になっていろんなことが動くことがあるので、商店街はうまく活用して次につなげてほしい」と意義を強調する。

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