一関・平泉

大規模石敷き遺構出土 無量光院より時代古く 平泉遺跡群調査整備委 現地指導で見解

無量光院の土塁跡部分から検出された大規模な石敷き遺構について説明を受ける平泉遺跡群調査整備指導委員会のメンバー

 2018年度第1回平泉遺跡群調査整備指導委員会(委員長・田辺征夫大阪府文化財センター理事長)は6日、平泉町と奥州市内の平泉関連遺跡で現地指導を行った。このうち同町の無量光院跡では、町教委による発掘調査で見つかった大規模な石敷きの遺構について調査が行われ、無量光院より古い時代のものであるとの見解に達した。

 石敷きの遺構が見つかったのは無量光院跡の南東隣接地で、民有地を同町が取得し今年度第40次発掘調査を行っている部分。南北約6メートル、東西約12メートルの範囲内に大きく3カ所に分かれる形で、平面部分を上にした石が整然と敷き詰められているのが確認された。

 調査地点は無量光院南側にある土塁が後世に切り崩された部分で、委員会による調査では土塁の下に位置することなどから無量光院より古い時代のものであると判断。3カ所に分かれた石敷きの高さが微妙に違う点や、一部に攪(かく)乱や掘削、崩落の形跡もあることから一層の調査や分析が必要との指摘があった。

 発掘調査を担当する平泉文化遺産センターの島原弘征主査文化財調査員は「現時点で石敷きの性格がどういうものかはっきりしない。今後範囲を広げて調査を進める」と語った。町教委では29日午前11時から現地説明会を行うとしている。

 現地指導には田辺委員長をはじめとする委員13人が参加。奥州市衣川の長者ケ原廃寺跡、同町の中尊寺大池跡と柳之御所遺跡も訪れた。

 2日目の7日は同町の平泉文化遺産センターで今後の関連遺跡整備スケジュールや、県教委が進める「平泉の文化遺産」ガイダンス施設整備などについて協議を行う。

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