奥州・金ケ崎

大声出して喉鍛え 水沢工高生が紙相撲製作 誤嚥性肺炎予防へ【奥州】

水沢工高生と一緒に「大声トントン紙相撲」を体感する利用者

 県立水沢工業高校の無線・情報部は、高齢者に多い誤嚥(ごえん)性肺炎の危険度を和らげようと、その予防に効果が期待される機器を製作した。その名も「大声トントン紙相撲」。11日には、機器を導入した奥州市胆沢小山のデイサービスどんぐりでお披露目され、早速利用者がゲーム感覚で楽しめる紙相撲を体感した。

 加齢に伴い喉の機能は低下し、息がしづらくなったり食べ物がうまく喉を通らなくなったりするという。高齢者は誤嚥性肺炎を起こしやすく、同施設では予防のために大きな声を出して機能低下を防ぐ工夫を試みていた。

 同施設を運営するNPO法人しんじょうが2017年12月、誤嚥予防につながる機器の製作を同部に依頼。今年1月から3カ月間かけて部品調達から組み立てや塗装、改良を重ねて完成させた。

 機器の大きさは70センチ四方、高さ20センチほどで、昔ながらの「とんとん相撲」がベース。土俵に見立てたスペースにスピーカーとライトを仕込み、ピンマイクが拾った声に反応して、土俵面が振動したり光ったりする。

 この日は、同部の佐々木亮部長(インテリア科2年)ら3人と梅村吉明教諭が同施設を訪問。部員と一緒に利用者が「トントン」と大きな声を出し、土俵際で踏ん張りを見せるなど“名勝負”の数々を繰り広げた。

 体験した利用者は「私の勝ち。叫ぶのは気持ちいい」とガッツポーズ。佐々木部長は「作っていての苦労も勉強になることばかりで、楽しそうに取り組んでくれて何より。これからもたまに使ってほしい」と願っていた。

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