一関・平泉

「負けるな北海道」メッセージと合唱CD 一関中3年生 修学旅行交流の農家に贈る

修学旅行でお世話になり、台風や地震の被害に遭った北海道の人たちを元気づけようと「ほらね、」を合唱する一関中3年生

 一関市立一関中学校(福井信夫校長、生徒246人)の3年生89人は、8月に修学旅行で訪れた北海道が台風や地震で甚大な被害を受けたことから、お世話になった人たちを自分たちの歌声で元気づけようと、メッセージと合唱を収録したオリジナルCDを作製した。

 同校は、8月28~30日に北海道蘭越町を修学旅行で訪れた。3年生が地元の農家15軒に分かれて宿泊し、農作業を体験しながら住民と交流した。

 修学旅行が終わった1週間後の9月6日、北海道胆振東部地震が発生。その直前には道内が台風21号に見舞われたため、生徒が宿泊した農家もジャガイモやトマトなどの農作物に被害を受けたという。

▲メッセージと歌を収録したCD。北海道で民泊した農家15軒に届けられる

 3年生は自分たちにできる支援を考え、同校の文化として伝統的に取り組んでいる合唱で気持ちを伝えようと決定。16日にメッセージと歌声を収録し、CD15枚を作製して24日に発送した。修学旅行で同校と農家を仲介した北海道の会社を通じ、各農家に届けられる。

 CDに収録したのは、音楽の教科書に掲載されている「翼をください」、今年のNHK全国学校音楽コンクール課題曲「Gifts」、東日本大震災後に被災地を応援しようと作られた「ほらね、」。生徒たちが日ごろから歌っている前向きなテーマの3曲を選んだ。

 演奏前に、特設合唱部長の渡邊蓮さんら代表生徒3人が「皆さんに少しでも元気になってもらえるよう、心を込めて一生懸命歌います」とのメッセージを読み上げた。最後には3年生全員で「負けるな! 北海道!」と大声でエールを送った。

 指揮を執った渡邊さんは「『ほらね、』という曲には『一人じゃない』という歌詞があり、一人で頑張らずにみんなで頑張ろうという気持ちが込められている。本番ではみんな真剣な表情で歌っていた」と振り返った。

 3学年長の佐藤香代子教諭は「修学旅行で生徒たちは最初こそ緊張していたが、帰りはすごく良い笑顔になっていた。北海道の皆さんには良い経験をさせてもらった。生徒たちは一生懸命合唱していた」と話していた。

 同校は10月にも生徒会と厚生委員会が中心となって北海道に送る義援金の募金活動を行う予定。

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