奥州・金ケ崎

節目の舞台へ一丸 キャストら稽古に熱 町民劇場、7日に公演【金ケ崎】

10回の節目の金ケ崎町民劇場成功を誓い、連日熱のこもった稽古を重ねる町民キャストら

 第10回金ケ崎町民劇場「土地神様のものがたり-夜空を流れる帚星(ほうきぼし)、天の諫(いさ)めか地の守りか…-」は7日、同町西根南羽沢の町中央生涯教育センターで計2回、公演する。地元の民話を題材に、金ケ崎の民を巻き込んだ神々の戦いが繰り広げられる物語。町民の手でつくり上げた節目の舞台成功へ、同センターでは連日キャストが熱のこもった稽古を行っている。

 脚本は、町民大学2017シナリオ講座の受講者7人による「チーム・ヘプタ*あすたりすく」が製作。講座で同町在住の作家平谷美樹さん(58)の指導を受けながら、金ケ崎の民話「館山の宝」をモチーフに作品として仕上げた。

 小中高生から高齢者までキャスト28人、スタッフ22人が集結。例年参加している髙橋由一町長のほか、今回は千葉祐悦教育長、伊藤雅章町議会議長も出演する。

 6月の旗揚げ式を経て稽古、大道具・小道具の製作などに取り組む一方、主催の実行委では同町在住のイラストレーター小松原英さん(60)デザインのポスターなどでPRも進めてきた。

 同センターでは、通し稽古が大詰め。演出の小原優子さん(65)=同町西根、劇団我夢所属=が立ち位置や間の取り方などの指導に当たり、キャストは感情を込めたせりふや演技、殺陣シーンに磨きを掛けた。小原さんは「それぞれの集中力をどこまで高めていけるか」と演者に期待を寄せる。

 主要キャストの金吉を演じる松本航輝君(18)=同町三ケ尻、岩谷堂高3年=は第1回からの皆勤で昨年、今年と脚本にも携わり「いろんな人と出会い、普通やれないこともできた。参加できて良かった」と振り返り、「金吉をめぐって周りの人がどう変わっていくか注目して見てほしい。自分も金吉の中の変化を見つけながら演技を頑張りたい」と語る。

 名主役で出演する実行委の板宮成悦委員長(69)=同町三ケ尻=は、「金ケ崎を題材に金ケ崎の人がポスターを作り、脚本を作り、演出し、若い人から年寄りまでが演じる10年の歴史ができてきた。仕上がりとしては楽しい雰囲気でできている。面白いなと思ってもらえたら」と呼び掛ける。

 午前の部は10時、午後の部は2時開演。チケットは全席自由で前売りが高校生以上1000円(当日1200円)、小中学生が500円(同700円)。問い合わせは同センター=0197(44)3123=へ。

【粗筋】

 世界中の土地神様は、76年ごとに代替わりをする習わしがあった。それは、若い神々の力で、同じ周期で訪れる帚星(ハレー彗星(すいせい))に住む凶悪な神、天之甕助之尊の侵略を未然に阻止するためである。
 金ケ崎の土地神、駒形之尊は、3姉妹の娘、朝露、夕立、夜霧の誰を跡取りにするか頭を悩ませていた。
 娘たちの提案で、館山下の金吉という男を幸せにした者を跡取りにすることとなり、3姉妹はそれぞれ金吉を幸せにするために奮闘するが-。その隙を狙って、天之甕助之尊が侵略を開始した。
 金ケ崎の民を巻き込み、壮大な神々の戦いの幕が切って落とされた!

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