卒業制作庭園が完成 花巻農高 太陽中心に月や星表現
花巻市葛の県立花巻農業高校(軍司悟校長、生徒336人)の環境科学科緑化系列3年生14人による卒業庭園が完成した。太陽を中心に月や星を表現した洋風庭園で、名称は宮沢賢治作詞の「精神歌」から引用した「日は君臨し輝きの庭」。27日の「花農祭」では大勢の来校が見込まれ、生徒は「来ていただいた方に憩いの場として活用してもらいたい」と話している。
卒業庭園は、本校舎北側の職員玄関前にある広さ約200平方メートルの芝地に制作した。三日月の形のウッドデッキを据え、セメントや敷石で星や太陽をかたどったスペースに丸太のテーブルや椅子14席を配置。つる性の植物を絡ませる木材棚なども新たに整備し、今月中旬に完成した。
8月下旬に生徒でデザイン案を出し合い、授業で測量や設計などに取り組んできた。配線が通っているため重機を使えず、芝地をスコップで掘るなどの力作業に苦労したほか、ウッドデッキの形を整える工程などが特に難しかったという。
佐々木楓君と髙橋稔樹君は「最初は芝しかなかった場所が、日を追うごとに少しずつ変化していくのがうれしかった。学校に来た方の目に入る場所に庭園を造るので、やりがいを感じた。自分たちが卒業した後も残るのは思い出になる」と出来栄えをかみしめていた。
花農祭は27日午前9時20分から午後2時50分まで。農産物・加工食品の即売や学科展、鹿(しし)踊り演舞、芸術展、吹奏楽部演奏などが予定されている。