ごしょ芋収穫始まる 口内 今季250キロを出荷予定【北上】
北上市口内町で、特産化に向け栽培に取り組んでいる「ごしょ芋」(キクイモ)の今シーズンの収穫作業が始まった。生産農家は、ショウガのような形をした芋数十個が塊となった株をくわで掘り起す作業に汗を流している。ギョーザなどの原料として地元NPO法人に随時出荷される。
地元農家15軒で組織する「くちないごしょ芋生産者の会」(昆野先男会長)が10年ほど前から本格的に栽培に取り組み、現在は10アールほどで栽培。キクイモはキク科の多年草で、口内地区では古くからごしょ芋と呼ばれて栽培されてきた。
漬物への活用もあったが多くは利用されず、農家ではむしろ雑草同様に厄介者扱いされてきた。含まれる成分「イヌリン」に血糖値上昇を抑える効果があるとされ注目を集めたことと、他の作物より栽培に手がかからず繁殖力が強いことに着目し、特産化に向けた取り組みが始まった。
昆野会長宅では1アールほどの畑で栽培。24日は3メートルほどに育った地上部を切り倒した後、くわを使って土を掘り起し、ごしょ芋を取り出す作業に当たった。
今後、NPO法人くちないに出荷され、県内の加工工場でギョーザやコロッケなどの具材として活用される。ここ数年は200キロ前後出荷しており、今年は250キロ出荷する予定。
昆野会長は「血糖値の上昇を抑えられて健康に良い上、栽培しやすいことが重要。ギョーザにするとサクサクとした食感で人気が高いので、ごしょ芋を地域の特産品として栽培し続けていきたい」と話している。