一関・平泉

室根大祭 きょう開幕【一関】

 東北名代の荒祭りとして知られる室根神社特別大祭は26日から3日間、一関市室根町で3年ぶりに開催される。数々の祭事や大名行列の袰(ほろ)先陣、勇壮な騎馬武者の荒馬先陣などが町内を練り歩く。今年は紀州(現和歌山県)の熊野から御神霊を勧請して1300年の大きな節目となることからバラエティーに富んだ協賛行事も企画。最終日の28日朝には神社の本宮、新宮両神輿(みこし)が麓の仮宮を目指して激しい先着争いを繰り広げ、祭りは最高潮に達する。

 室根神社は養老2(718)年、鎮守府将軍の大野東人(おおのあずまんど)が紀州牟婁(むろ)郡本宮村(現同県田辺市本宮町)から熊野神の分霊を迎えて創建された。特別大祭は熊野神勧請の故事に倣い旧暦うるう年の翌年秋に開かれている。

 初日は午後2時から男児が馬に乗った袰先陣などが室根山のほぼ真南にある麓の南流神社を参詣。2日目の27日は正午から荒馬先陣や袰先陣が町内を行進する。2日目は協賛行事が目白押しで郷土芸能の打ちばやし巡行をはじめ、創作太鼓フェスティバル、室根大祭マラソン、東北ご当地グルメのB-1グランプリ、路上パフォーマンスが行われる。

 最大の見どころは最終日に実施される国指定重要無形民俗文化財の「マツリバ行事」。室根山8合目に位置する室根神社を午前4時に出発した本宮、新宮2基の神輿は陸尺(ろくしゃく)と呼ばれる男たちが担いで急斜面の参道を下った後、商店街を通って麓の祭場(まつりば)に勢いよくなだれ込み、仮宮先着を目指す。仮宮の高さは姉宮に当たる右側の本宮が7・7メートル、妹宮の新宮は60センチ低く、陸尺たちは神輿上げに最後の気力を振り絞り安着させる。

 特別大祭に関する問い合わせは室根大祭協賛会・一関市観光協会室根=0191(64)3806=まで。

momottoメモ

室根神社千三百年受け継ぐ人々

 東北名代の荒祭りとして知られ、「マツリバ行事」が国指定無形民俗文化財となっている室根神社特別大祭が26日から3日間、一関市室根町で3年ぶりに開催される。今年は紀州(現和歌山県)の熊野から御神霊を勧請して1300年の大きな節目。あまたの氏子衆によって連綿と支えられてきた室根神社と伝統の祭りを受け継ぐ人々の魂に迫る。(3回続き)

㊤故事に倣う特別大祭

 

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