趣向凝らし庭園制作 芸術大学校「お庭の時間」 大学生講師に特別WS【金ケ崎】
東北芸術工科大(山形県)芸術学部美術科総合美術コース市川研究室が2018年度から展開している金ケ崎芸術大学校の開校日「お庭の時間」は28日、同町西根表小路の旧菅原家侍住宅で行われた。同大学生が講師役となり、ジオラマの庭作りの特別ワークショップ(WS)を実施。町民と学生が一緒に趣向を凝らした庭園制作を楽しんだ。
27日から1泊2日で同町を訪れていた同大学生12人や町内の児童、一般参加者ら合わせて約20人が参加。同コース1年の若月匠さん(19)=山形市=が石粉粘土やスポンジを用いたジオラマの手法を説明した。
参加者は段ボールに粘土を盛り付け、色を塗ったり、下ろし金で削ったスポンジを接着剤で貼り付けたりながら地面や樹木などの制作に熱中。池、岩の配置など思い思いの個性的な庭を作り上げ、互いに見せ合った。
若月さんは、プラモデルが好きなことからジオラマ制作にも取り組んでいるといい、「凸凹を増やすなど変化があった方が面白い。こういう分野やプラモデルにも興味を持ってもらえれば」と語っていた。
同研究室の市川寛也講師(31)によると、今回の取り組みは、国選定金ケ崎町城内諏訪小路重要伝統的建造物群保存地区(伝建群)内にある同住宅の活用を広げる手法の一つとして、庭(28日)にちなんだテーマで企画。学生が講師役での実施は初めてで、「学生が考えて提案して行うほか、『こんなワークショップをしてみたい』という地元の方をサポートする場など、この場所でできることが広がっていくのでは」と新たな展開にも期待を寄せている。
庭の作品は11月2~4日、同住宅で開かれる手仕事作品の展示・販売イベント「同大学校開校日『手しごとの時間』」の際に展示する。時間は午前10時~午後4時。