トーンチャイム演奏 県立大デー 老健施設利用者【北上】
県立大の学生が北上市北鬼柳の江釣子ショッピングセンターパルで活動する「県立大デー」が、24日に行われた。介護老人保健施設たいわ(同市北鬼柳)の利用者と学生の共同プログラムでは、トーンチャイムの演奏を披露。施設外で大勢の人を前にした活動は初めてで、刺激的な取り組みを通して利用者に充実した表情が広がった。
プログラムは心身の健康に加え社会参加の維持で健やかな暮らしを目指すウェルネスの増進のため、4年生の遠藤舞さん(22)=葛巻町出身=が中心となって課外活動で企画。「ミュージック&ウェルネスプロジェクト」を立ち上げ、同大の補助も受けて活動してきた。
演奏したトーンチャイムは、1個ずつ別の音程が割り振られた打楽器。同日は80~90代の利用者9人が出演し、「北上夜曲」や「上を向いて歩こう」など4曲を発表。会場から温かい拍手が送られた。
利用者は学生の訪問を受け、9月末から週1回の練習を続けてきた。徐々に本番が楽しみになったと口をそろえ、髙橋参四郎さん(83)は「音楽は苦手だったが、リハビリを兼ねてやってみた。感覚が慣れてくると、周りの人の気持ちまで分かってくる。多くの方々に聴いていただき、とても温かい気持ちになった」と笑顔を見せた。
同プロジェクト所属の学生7人も、吹奏楽や軽音楽の経験を生かしてステージに立った。プログラムには社会参加意欲の促進や認知症予防などの効果も見込んだといい、遠藤さんは「当日まで不安もあったが利用者の皆さん、学生とも楽しんでいた」と振り返った。
県立大とパルのコラボレーションイベントは、2017年度に続いての実施。このほか、同大さんさ踊り実行委員会による公演も行われた。