大迫高で留学制度 全国から生徒 花巻市が受け入れ支援
花巻市は、同市大迫町の県立大迫高校(菅原一志校長、生徒65人)の生徒確保策として、2019年度から生徒を全国から受け入れる留学制度を実施する。早池峰神楽など大迫地域の資源を生かした活動や経験を通じ、地域活動に意欲的な人材を育成し、地域振興につなげるのが目的。市では、同校に近い学生寮の提供などで生徒の生活を支援する。
同校は16年3月に策定された県教委の県立高校再編計画で、募集定員40人に対し、入学者が2年連続20人以下となれば原則翌年度に募集停止し、統合の対象になることが示されている。市では入学者が21人以上になるよう市内の中学校へ情報発信するなど生徒の確保対策に努めている。
存続に向けた新たな生徒確保策として「高校生おおはさま留学生」事業を開始。定員は4人で、今月から入学志願者の募集を始めた。
市のスケジュールによると、12月21日までに志願者から提出された書類の選考と面接を行い、来年1月中旬までに在学する中学校長を介して留学内定者を通知する。3月の一般入試を受け、合格後に留学生として認める。
市では学生寮としてホテルベルンドルフの客室(原則2人で1室)を用意。食事は1日3食(昼食は登校日のみ)を提供する。ホテルから学校までは徒歩3分程度で、生徒は徒歩または自転車で通学する。
食事代相当分の月額4万円は留学生の保護者が負担。受け入れ経費を市が負担し、同校の生徒確保対策協議会員がホテルスタッフと共に留学生の生活をサポートする。
県内では県立葛巻高校で実施されている葛巻町の留学生事業に続いて2例目。上田東一市長は26日の定例会見で、留学生の受け入れについて「大迫高では存続のために、早池峰神楽の習得や早池峰山の学校登山、ブドウ栽培作業など大迫地域の豊富な地域資源を生かした多様な教育活動を行っている。花巻市以外から生徒を受け入れることで市内の生徒にも刺激を与えてくれる。一緒に学ぶことで視野を広げてくれることを期待する」と説明した。
募集要項や申込書などは市ホームページに掲載している。問い合わせは市大迫総合支所地域振興課=0198(48)2111=へ。