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スネカ無形文化遺産に ユネスコが登録決定「来訪神」8県10行事【岩手】

ユネスコの無形文化遺産に登録が決まった「吉浜のスネカ」(大船渡市教育委員会提供)

 文化庁は29日、モーリシャスの首都ポートルイスで開催されている国連教育科学文化機関(ユネスコ)の政府間委員会で、日本が無形文化遺産に提案していた「来訪神 仮面・仮装の神々」の登録が決定したと発表した。2016年の「山・鉾・屋台行事」以来で、国内の無形文化遺産は計21件となる。

 来訪神は、「吉浜のスネカ」(大船渡市)や「男鹿のナマハゲ」(秋田県男鹿市)、「米川の水かぶり」(宮城県登米市)など8県10行事で構成。神の使いに仮装した者が正月などの節目に家々を訪ね、怠け者を戒めたり、無病息災などを願ったりする。各地で時代や世代を超えて伝承され、いずれも国の重要無形民俗文化財に指定されている。

 政府は11年にナマハゲの単独登録を目指したが、既に登録されていた「甑島のトシドン」(鹿児島県薩摩川内市)との類似性を指摘され登録見送りとなった。16年にトシドンを拡張する形で一括提案したが、各国から審査件数の上限を上回る提案があったため、登録件数が多い日本の審査は1年先送りされ、昨年、再提案していた。

 ユネスコの評価機関は今年10月、来訪神を登録するよう政府間委員会に勧告した。日本の無形文化遺産としては、歌舞伎や和食などが登録済み。20年には伝統的な「建造物修理」や「茅葺(かやぶき)」など14件から成る「伝統建築工匠(こうしょう)の技 木造建造物を受け継ぐための伝統技術」の審査が行われる予定。

 ユネスコの無形文化遺産への登録が決定した「来訪神 仮面・仮装の神々」の10行事は次の通り。

 吉浜のスネカ(大船渡市)▽米川の水かぶり(宮城県登米市)▽男鹿のナマハゲ(秋田県男鹿市)▽遊佐の小正月行事(山形県遊佐町)▽能登のアマメハギ(石川県輪島市・能登町)▽見島のカセドリ(佐賀市)▽甑島のトシドン(鹿児島県薩摩川内市)▽薩摩硫黄島のメンドン(同県三島村)▽悪石島のボゼ(同県十島村)▽宮古島のパーントゥ(沖縄県宮古島市)

【時事】

達増拓也知事の話

 大船渡市の「吉浜のスネカ」を含む「来訪神 仮面・仮装の神々」がユネスコ無形文化遺産に登録決定したことは大変喜ばしい。今後も地域一体で保存・伝承に取り組んでもらい、地元の意向に沿って岩手の歴史・文化の魅力を広く発信していく。

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