体育館“能楽堂”に 川崎中生が鑑賞、体験【一関】
文化庁が主催する2018年度文化芸術による子供の育成事業「能楽公演」は10日、一関市川崎町の川崎中学校(中嶋真理校長、生徒87人)で行われた。体育館に設営された能舞台で能が上演され、生徒と地域住民合わせて160人が日本の古典芸能を堪能した。
同事業は、京都市の片山家能楽・京舞保存財団が主体となり北海道と東北の13小中学校で実施。11月には同財団の講師が同校を訪れ、生徒に謡(うたい)と仕舞(しまい)を指導した。
同日は3部構成で、第1部では能の絵本「敦盛(あつもり)」をスライドで映し出しながらの絵本語り、第2部は生徒による謡と仕舞の発表、第3部は能「敦盛」の上演が行われた。
第3部には、片山九郎右衛門さんをはじめ第一線で活躍する能楽師らが出演。源平合戦の一ノ谷の戦いで命を落とした少年武将・敦盛と、敦盛を討ち取った後に出家した源氏方の武将・熊谷次郎直実の物語を情感豊かに演じ、生徒らは息をのんで舞台に見入っていた。
上演後には質問コーナーが設けられ、生徒たちは能の上演形態や舞台について積極的に質問していた。
生徒会副会長の千葉丈瑠君(2年)は「能を鑑賞するだけではなく体験することもでき、とても貴重な経験だった。能のような素晴らしい日本の文化を、これからも受け継いでいきたい」と感想を述べた。