花巻

地元野菜で新土産品 朝ごはんプロジェクト 第1弾はパプリカピクルス 観光の魅力PR【花巻】

パプリカを使って開発したピクルスをPRする(左から)久保田取締役、照井さん、箱﨑代表取締役

 花巻市内の温泉ホテル・旅館の若手経営者らと若手農家でつくる「はなまき朝ごはんプロジェクト」は、地元野菜を使った新たな土産品としてパプリカのピクルスを地元の食品加工業者と初めて共同開発した。12日、商品発表会を開くとともに販売を開始。第2弾のギョーザも考案中で、地元野菜を使った商品を積極的に開発・販売して観光地花巻の魅力を全国にアピールしていく。

 同プロジェクトは、温泉ホテル・旅館5館と市農村青年クラブ、農業女子プロジェクトチーム「農花(のうか)アグリヴィリーノ」のメンバーら約30人で構成。観光業と農業が一緒になって花巻の魅力発信に努めている。

 農家が独自に作った菓子やドレッシングを販売しているが、地元産野菜を使った新たな商品で花巻をさらに盛り上げようと、5月に商品開発に着手。同市湯口の食品製造業ハコショウ食品工業(箱﨑陽介代表取締役)に協力を求め、アイデアを基に検討、試作を重ねてきた。

 開発商品は「てるけんのまるごとパプリカ」。メンバーの一人の農業照井健二さん(36)=同市中根子=が同市上似内の圃場(ほじょう)でハウス栽培する赤、黄色の2種類を用い、リンゴ酢や白ワイン、ハチミツなどを混ぜた液体に漬け込んだ。

 パプリカは外国産より大きめで肉厚といい、程よい歯応えに酢の甘酸っぱさ、ワインなどのまろやかな風味が加わり、サラダ感覚で食べられるという。

 同市湯口の志戸平温泉湯の杜(もり)ホテル志戸平で開かれた発表会には、同プロジェクトのメンバーや市、花巻観光協会の関係者ら約30人が出席。同プロジェクトの中心を担う同ホテルの久保田龍介取締役(39)と照井さん、箱﨑代表取締役(41)が商品開発の経緯や特徴などを話した。

 久保田取締役は「その土地に来なければ食べ物の本当のおいしさは分からないし、その土地の文化や歴史、人の温かさなども分からないと思っている。この商品を観光の魅力発信につなげたい」と期待を寄せた。箱﨑代表取締役は「社内の開発チームが努力してくれた。サラダ感覚で、酒のつまみとして食べられるし、ワインにも合う」と強調した。

 照井さんは「成長の遅い作物だが、栽培8年目の現在は年5トンの出荷量を見込んでいる。丹精込めて育てたパプリカをより多くの人に味わってもらいたい」と商品完成を喜んだ。

 一緒に漬けたミニトマト5個がパプリカに入った商品は1個972円(税込み)。同ホテルと同プロジェクトに加わる花巻南温泉峡の鉛温泉藤三旅館、新鉛温泉結びの宿愛隣館、山の神温泉優香苑、それに台温泉の松田屋旅館で200個限定で販売。購入者の意見を基に改良し、収穫可能な2019年7月以降に本格販売に切り替える。

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