一関・平泉

鳥居形門松 威風堂々 世嬉の一に伝承会設置【一関】

酒の民俗文化博物館前に立てられた厳美地区伝統の鳥居形門松

 一関市田村町の世嬉の一酒造(佐藤航代表取締役社長)で15日、毎年恒例の鳥居形門松が立てられた。通常の対になったものと違い、門の形が特徴の同市厳美地区に伝わる門松で、買い物客らの興味を引いている。

 同地区で戦前に農家などでよく見られたという鳥居形門松だが、近年民家で目にする機会は減っており、同社が伝統行事を伝えていこうと1987年から再現している。同市厳美町で活動する正月かざり伝承会(千葉正志代表)の60~80代男性6人が作業に当たった。

 門松は同社敷地内の酒の民俗文化博物館前に設置され、大きさは幅約2・8メートル、高さ約2・3メートル。同地区から取ってきた松、竹、栗の木を束ねた根元に「はばき」と呼ばれる割り木を添え、縄を縁起が良い数とされる7、5、3本巻きにして固定した。梅の代わりに栗を使っているのは「やりくりがうまくいくように」との願いを込めたもので、上部にしめ縄を張って完成させた。

 同日は、立ち寄った買い物客や観光客らが設置作業を興味深そうに眺め、門松の前で記念撮影する姿も見られた。

 千葉代表は「今年は松の木が大きく育ち迫力のある門松になったと思う。たくさんの人に見て、くぐってもらい地域の伝統に親しみを感じてほしい」と話し、佐藤社長は「(門松が立って)いよいよ正月が来るという気持ち。毎年お客さんが楽しみにしていて、今年も喜んでもらえると思う」と語っていた。

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