奥州・金ケ崎

高校再編へ意見、提言 後期計画策定向け・県教委 胆江皮切りに検討会議

県立高校のあるべき姿などについて関係者が意見や提言を述べた地域検討会議

 県教委は25日、新たな県立高等学校再編計画(2016~25年度)の後期計画策定に向けた地域検討会議を奥州市で開いた。県内9ブロック10会場で開く1回目の会議で、胆江ブロックを対象にした同日が皮切り。奥州、金ケ崎の2市町の関係者から高校教育の現状や地域における高校の在り方などについて意見や提言を聴き取った。

 市役所江刺総合支所で開かれた会議には、同市の小沢昌記市長や田面木茂樹教育長、同町の髙橋由一町長や千葉祐悦教育長をはじめPTAや商工団体などから合わせて10人が出席。後期計画は21年度を初年度とした5カ年計画で、県教委が20年度に策定する方向で検討作業を進める方針などについて説明した後、「都市部、中山間地・沿岸部における今後の高校のあり方について」をテーマに意見交換が行われた。

 小沢市長は「今ある学校の統合は最低限にとどめ、地域に残す視点で考えてほしい。社会性や学力について小規模校で不足するデメリットをどうカバーしていくか知恵を絞っていくことになる」、髙橋町長は「教育機会の保障は絶対に必要だ。通学の面から考えた学校再編、交通体系にも踏み込まなければ。課題解決は地域事情によって対応をしてほしい」と述べたほか、「情報化社会に適応した特色ある高校がこの地域にあればいい。卒業した高校生が地元に定着するプログラムを検討してほしい」などと求めた。

 また、田面木教育長は「学校の質を高めるためには、魅力ある学校を含め先生の努力が必要」、千葉教育長は「『知・徳・体』のバランスが取れた教育環境が大事。地域ごとの適正な学級数を考えてほしい」と語った。

 このほか、「労働力が地元に残る仕組みを考えなければならない。IT教育に力を入れるプログラムがあればいい」「生徒の個性を伸ばす教育の在り方を考えた上で、方向性を導いてほしい」などの声があった。

 地域検討会議は、高校のあるべき姿や地域実情に応じた高校、学科の配置などについて地域の代表者らと意見を交換し、後期計画の検討に資するのが目的。1回目として9ブロック10会場で2019年2月8日まで開催。その後、4月から20年2月にかけてそれぞれ3~4回を実施する予定。

地域の記事をもっと読む

奥州・金ケ崎
2024年5月20日付
奥州・金ケ崎
2024年5月20日付
奥州・金ケ崎
2024年5月20日付
奥州・金ケ崎
2024年5月19日付