小林陵 総合Vに挑戦 30日からジャンプ週間 「あまり不安はない」
ノルディックスキーのジャンプ男子は30日から、ワールドカップ(W杯)を兼ねてドイツとオーストリアで年末年始恒例のジャンプ週間計4戦が開催される。今季W杯7戦で初勝利を含む4勝と絶好調で、個人総合首位に立つ小林陵侑(盛岡中央高―土屋ホーム)に日本人2人目の総合優勝が期待される。小林陵は「ジャンプ週間は特別。まず1勝を目指す」と意気込んでいる。
「フォー・ヒルズ・トーナメント」と称されるジャンプ週間は、W杯が始まるはるか以前の1952~53年シーズンから続く伝統の大会。総合優勝は五輪の金メダルと並んで高く評価される。
これまでに総合優勝した日本選手は97~98年の船木和喜だけ。第1戦から3連勝と強さを見せ、1カ月後の長野五輪金メダルにつながった。それ以前にも、72年札幌五輪で金メダルを獲得する笠谷幸生が直前に3連勝した後、国内五輪選考会のため帰国し、第4戦を欠場した例がある。
大観衆が注目する独特の雰囲気の中、1週間余りの短期間に形状の異なるジャンプ台で4試合をこなす。総合優勝するためには高い対応力や精神力が求められるが、小林陵は「たくさん人がいるし楽しみ。あまり不安はない」と自信にあふれている。
ジャンプ週間で通算3勝を挙げ、土屋ホーム監督として指導する46歳の葛西紀明は「選手みんなが勝ちたいと思う試合だけど、今の調子なら誰にも負けないのでは」。まな弟子の大舞台での活躍を期待している。 【時事】