出張託児サービス展開 合同会社フォーギブ 保育士とスペース用意【花巻】
花巻市星が丘の合同会社フォーギブ(髙橋大樹代表社員)は、東北地方では珍しい出張託児サービス業を展開している。イベントやセミナーの主催者の費用負担で同社が会場に保育士とキッズスペースを用意し、参加者の子供を預かる事業形態。親の出費を解消するビジネスモデルとして、子育て世代の社会活動を応援する。
託児サービス業は、親が出掛ける時などに料金を支払い子供を預けるのが一般的だが、同社は講演会やセミナー、コンサート、スポーツイベントなどを主催する団体や企業から料金を受け取りサービスを提供する。
髙橋代表社員は「子育て世代は住宅やファミリーカーのビジネスターゲットとして捉えられているし、イベントやコンサートなどの需要もある一方で、託児所や自分の親に子供を預けて出掛けることに金銭的、精神的な悩みが生じている。子供やお金を気にすることなく、商談や外出ができる仕組みづくりが、本当の意味での社会全体での子育てではないかと考えた」と思いを語る。
4月に同社を立ち上げ、現在は保育士を含む社員4人体制で運営。イベント会場の一角に保育士を派遣しておもちゃや絵本、音楽、アニメのDVDなどを持ち込み、親が参加している間、子供の面倒をみる。今月1日に市内のホテルで開かれた健康講座ではチラシで「託児無料(定員13人)」を告知し、客室にキッズスペースを設けて約2時間子供たちを預かった。
子供の年齢や人数により、派遣する保育士の人数や料金は異なる。サービス対象は奥州市や盛岡市など出張できる範囲。企業内託児所や結婚式場へのサービス提供なども想定し、保育士の増員を検討しているという。
自身も4児の父である髙橋代表社員は「このスタイルが世の中に広まることで、親たちの行動範囲が広がり、社会参加を後押しできると思う。育児支援に関心を持つイベント主催者や企業が、子育て世代からしっかり選ばれる構造ができればいい」と展望している。