奥州・金ケ崎

教科書に載らない科学 宇宙遊学館理科研修会 小中学校教諭ら聴講【奥州】

小中学校の教諭らを対象にした宇宙遊学館の理科研修会

 奥州宇宙遊学館の2018年度「小中学校の先生のための理科研修会」は27日、奥州市水沢の同館などで開かれた。奥州、金ケ崎両市町から理科を担当する教諭ら10人が参加し、酸素や水の歴史を学ぶ講義を聴講したほか、同館のシアターや国立天文台水沢VLBI観測所を見学した。

 同研修会は、身近なことから科学について考えるきっかけにしてもらおうと開催。初めにイーハトーブ宇宙実践センターの大江昌嗣理事長が「空気のようなもの―水と空気、そして人の立つ地面はどこから来たか―」と題して講義。「教科書には地球が昔はどうだったかが抜けている」と切り出し、地質学や生物学などの科学者が解明してきた成果を紹介した。

 大江理事長は「25億年前の堆積物には酸化物が見つかっていない。酸素は23億年ほど前に、シアノバクテリア(藍藻)や植物プランクトンによる光合成によって作られた」とし、「6億年前のカンブリア紀に爆発的に増加して20%の酸素濃度になった。それには、大陸の発生、分裂、陸棚の形成が大きく影響している」と語った。

 また、大陸が変わって海水量が変わると地球の回転と月の関係が変わるとの国立天文台などの研究成果にも触れた。「海洋潮汐が月を動かし、その反作用で地球自転にブレーキがかかる」とし、「1年間で月は3・8センチ遠ざかり、1日は100年で1・7ミリ秒長くなっている」と説明した。

 参加者は、大江理事長が作ったプレート運動を見せる模型などにも興味を示しながら話に聞き入っていた。

 同日はこのほか、国立天文台の見学や惑星探査、デジタル宇宙シアター、来年の主な天文現象の紹介などが行われた。

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