花巻産野菜、宿泊客に提供 朝ごはんプロジェクト 東北農政局長賞を受賞
花巻市内の温泉ホテル・旅館の若手経営者と若手農家でつくる「はなまき朝ごはんプロジェクト」は、2018年度地産地消等優良活動表彰の食品産業部門で東北農政局長賞を受賞した。若手農家が生産した地元の野菜をホテル・旅館の朝食に提供するほか、野菜をベースにした商品開発にも取り組み、地場産の消費拡大と農家のホテル・旅館への納入額増加に努めていることが高く評価された。
11日に同市湯口の湯の杜ホテル志戸平で授与式が行われ、同プロジェクトのメンバーや東北農政局岩手支局の関係者15人が出席。プロジェクトの中心メンバーの同ホテルの久保田龍介取締役(39)に賞状が贈られた。
手渡した桃澤靖支局長は「地域資源を生かした活動で観光と農業の連携による相乗効果、地域貢献に寄与された。模範として活動を続けてほしい」とたたえた。
同プロジェクトは、ホテル志戸平と藤三旅館、結びの宿愛隣館、台温泉松田屋旅館、山の神温泉優香苑の5施設と、市農村青年クラブ連絡協議会などのメンバー約30人で構成する。14年7月から始まり、観光業と農業が一緒になって花巻の魅力発信に努めている。
市内の若手農家が作る野菜を5施設に納品し、物語性を加えて見える形にして紹介している。各施設の料理人が素材を生かした朝食(おかず)を腕を振るって作り、宿泊客に提供して地産地消につなげている。
朝食に使った野菜を販売するほか、旅行プランの一つに若手農家の野菜を収穫する農業体験も実施。地元産野菜を使った新たな商品で花巻を盛り上げようと、花巻産野菜を使った土産品のドレッシング、生産者自慢のパプリカを生かした商品開発にも力を入れている。
久保田取締役は「開始当初は方向性が定まっていなかったので受賞はうれしい。野菜を5施設の共通食材として利用することで、生産者と旅館、流通を担う青果店の3者が地産地消に貢献できている。これからも協力して活動し、食材を生かした土産品の開発に取り組むなどして花巻の観光の魅力発信につなげたい」と受賞を喜ぶ。