一関・平泉

縄文人のセンス 実感を 貝鳥貝塚の出土品紹介 市博物館 26日からテーマ展【一関】

一関市博物館で26日から開かれるテーマ展「縄文人のセンス~貝鳥貝塚の出土品」のチラシ

 一関市花泉町油島の県指定史跡「貝鳥貝塚」の出土品から縄文時代の人々の生活を見詰め直すテーマ展「縄文人のセンス~貝鳥貝塚の出土品」は、26日から同市厳美町の市博物館で開かれる。縄文人が身に着けていた装身具を中心に約200点を展示。出土品から当時の生活の様子や思いが浮かび上がってくる。3月24日まで。

 同貝塚では、昭和30~40年代に発掘調査が行われ、動物の骨や牙、角を使った数多くのアクセサリーや漁労用具をはじめ、土器、人骨などが見つかった。出土品は長い間、研究のため東京で保管されていたが、2013年に市に返却され、現在は市博物館が所蔵。発掘調査の歴史を振り返り、縄文時代を生きた人の感性に触れてもらおうとテーマ展が企画された。

 同展では、当時の人々が手作りしたクマやオオカミの牙、マダイの頭骨を材料としたペンダントや、初公開となる鹿の角で作ったかんざしといった装身具のほか、代表的な縄文土器や土偶も紹介。1957年に発掘され、同市花泉町油島の満昌寺が所蔵している約2000~3000年前の成人女性(身長約150センチ)の人骨もある。

 同博物館の鈴木弘太主任学芸員は、動物の骨を使った装身具類について「どう猛な力を身にまとうことで、権威を表す一種のブランドのようなものだったのだろう」と考察し、「一つ一つの装身具をよく見ると、繊細で現代の名工に劣らない技術力がある。縄文人のファッションセンスや生活感、世界観を感じるとともに、自分の住む土地のすごさを実感してもらいたい」と話す。

 初日は午後1時30分から盛岡大文学部の熊谷常正教授が「東日本の縄文貝塚と貝鳥貝塚~可沼のほとりの人々」と題して講演する。申し込みが必要で聴講無料。定員100人。

 テーマ展の入館料は一般300円、高校・大学生200円、中学生以下無料(初日は全員無料)。開館時間は午前9時~午後5時。月曜休館。問い合わせは同博物館=0191(29)3180=へ。

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