北上・西和賀

職業観養い、進路実現へ 専北高 南部美人社長が講話【北上】

「挑戦を続けてほしい」とエールを送る久慈氏

 北上市の専大北上高校(及川和夫校長、生徒686人)は23日、実業分野で学ぶ2年生を対象とした社会人を招いた特別講話を同校で開いた。聴講した生徒たちは、職業観を養いつつ進路選択の参考にした。

 社会人としての資質や働くことの意義など仕事について考えてもらい、進路の実現につなげてもらおうと毎年開催している。同日は、酒造会社の南部美人(二戸市)を経営する久慈浩介社長が「南部美人の挑戦~小さなまちの酒蔵が世界一になる軌跡」をテーマに講演し、商業、自動車両科の2年生約110人が聴講した。

 久慈氏は、英国で開催されている世界最大のワインコンテスト・インターナショナルワインチャレンジの日本酒部門で1位を獲得するなど世界に日本酒を売り込むまでの取り組みや、その後の活動の広がりなどを紹介した。

 元々教師志望だったという久慈氏は、高校時代の米国留学で酒蔵を継ぐよう勧められたことをきっかけに進路を転換。国内消費が伸び悩んでいる中で日本の食文化が世界で評価され始めていたことや、日本酒がオンリーワンの商品だったことを海外挑戦の主な理由に挙げた。

 世界に日本酒の素晴らしさを伝えるには「頭と舌で味わってもらうことが大事」と熱っぽく語り、「小さな会社でもオンリーワンの商品ならば世界を相手に商売することができる。過疎化する小さなまちの明るい希望になるためチャレンジを続けたい」と意欲を示した。その上で「世界は会社の規模ではなく価値の大きさを見ている。皆さんも個々の価値あるものを見つけ、若いうちは失敗してもいいから挑戦を続けてほしい」とエールを送った。

 商業科の南部雅美さんは「高校卒業後は地元で働こうと思っているが、日本の伝統的な物を作っている会社で働くのもいいと思った」と参考になった様子だった。

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