一関・平泉

郷土愛にじむ熱演 藤沢文化センター開館20周年記念 中東北田植え踊り大会【一関】

16年ぶりに入山沢田植え踊りを復活させ、熱演を披露する保存会メンバー

 一関市藤沢町の藤沢文化センター開館20周年記念事業・中東北田植え踊り大会(市主催、岩手日日新聞社など後援)は27日、同センター「縄文ホール」で開かれた。岩手、宮城両県を中心に伝わる田植え踊りを再認識し、郷土愛を育むとともに、不足が深刻な後継者の育成に弾みをつけようという初の試み。大会のために16年ぶりに復活した同市千厩町の入山沢田植え踊り保存会をはじめ両県から7団体が出演し、詰め掛けた観客を楽しませた。

 開会行事では市長に代わって千葉賢治市役所藤沢支所長があいさつし「若者の地元定着を図るためには、その地域に誇りを持ってもらうことが大切だ。田植え踊りのような先人が守り、培ってきた伝統文化も誇りにつながるだろう」と大会の成功を願った。

 出演団体のうち入山沢田植え踊り保存会は1932年ごろに旧室根村の男性から伝授されたといい、一時途絶えたが、63年ごろに復活。80年代には青少年への伝承も盛んになったものの、少子化などの影響で再び途絶え、同日は2002年秋以来の復活となった。

 小正月に豊作を祈願して家々を回った庭踊りを主とする田植え踊りといい、平均年齢64歳という踊り手が軽妙な横笛の音と歌声に合わせて熱演し、盛んな拍手を浴びた。

 他に本県からは山屋田植踊保存会(紫波町、国指定重要無形民俗文化財)と徳田田植え踊り保存会(一関市藤沢町)、下内野田植踊り保存会(同市大東町)が出演した。

 また、宮城県からは富谷田植踊保存会(富谷市、県指定無形民俗文化財)と廿一田植踊保存会(気仙沼市、同)、狼河原田植踊保存会「夢創の会」(登米市)が出演。このうち夢創の会は、徳田田植え踊りと関わりが深いことからプログラムのトップを飾った。

 同センターは、旧藤沢町時代の1998年4月に文化の創造、発信、交流の拠点施設として開館。大会では500席余りの客席がほぼ埋まり、開館20年の節目をにぎやかに祝った。

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