県交通、電気バス導入 東北初 盛岡市内で運行開始
県交通(本社盛岡市)が導入した電気バスが1日、市内の路線で運行を開始した。電力で走行することにより走行中の音が静かで排気ガスも出ず、環境に優しいのが特徴。大型の路線電気バスの導入は東北初の試みといい、将来的な増台も検討している。
県交通は国土交通省の「地域交通グリーン化事業」の認定を受け、中国の自動車メーカーBYD製の大型電気バス1台を導入。費用は約6500万円で、3分の1を国が補助した。定員は56人で、全長12メートル、幅2・5メートル、高さ3・4メートル。8~9時間のフル充電で約250キロの走行が可能となる。エンジンを搭載していないため走行中の騒音に悩まされることはなく、軽油を使用する従来車両と比較し大幅なコスト削減が見込めるという。
運行する路線はJR盛岡駅東口とイオンモール盛岡南を結ぶ「イオンモール盛岡南線」(約3キロ)。1日77便のうち18便で電気バスを運行する。
同日は午前10時に同駅東口のバス乗り場で出発式が行われ、県交通の本田一彦代表取締役会長、来賓の谷藤裕明市長ら関係者がテープカットで運行開始を祝った。
早速電気バスを利用した同市本宮の主婦小原美代子さん(66)は「静かでゆったりとした乗り心地。これからも頻繁に利用したい」と満足そうだった。
本田会長は「環境に優しいバスで地域への恩返しがしたい。この路線は若者を中心に多くの利用者がいるので、バスに乗って最新のテクノロジーを体感し、知的刺激を受けてほしい」と話した。