一関・平泉

インフルまだまだ警戒 定点患者数30人超 一関地区 予防徹底呼び掛け

インフルエンザの流行を受け、一関病院が正面玄関に掲示している張り紙。入院患者への感染を予防するため面会を制限している=一関市大手町

 全国的に猛威を振るっているインフルエンザ。一関地区のピークは過ぎたと見られるものの、感染症だけに油断できない状況が続いている。保健所や医療機関は、こまめな手洗いやマスクの着用など感染予防・拡大防止に向けた取り組みを引き続き呼び掛けている。

 一関地区の定点医療機関7カ所から報告されたインフルエンザ患者数は、1月21~27日に1定点当たり60・43人。県内では盛岡市の62・09人に次いで高く、2019年のピークに達した。翌週の1月28日~2月3日には1定点当たり33・43人にまで減少したものの、1定点当たり30人以上の警報値は超えたまま。流行は続いている状況だ。

 12年からの記録によると、同地区で1定点当たり患者数の最多は同年の77・1人。今年の60・43人はそれに次いで多い数となった。昨年のピークは51・43人だった。

 感染の予防・拡大防止の対策としては、こまめな手洗いや、マスクを着けて咳を防ぐ“咳エチケット”が重要とされる。一関保健所保健課の佐藤敬之主事は「インフルエンザは接触感染。咳やくしゃみにはウイルスが多く含まれている。アルコール消毒が効くので、スイッチなどよく触る物を拭いてもらいたい」と話す。発熱など明らかな症状があり、体調にまだ余裕がある場合は医療機関に連絡してから受診すると対応が迅速になり、周囲への感染も防げる。

 インフルエンザの流行で学校の休業措置、入院患者の面会制限といった対応も相次いでいる。一関市大手町の一関病院は入院患者への感染を予防するため、1月14日から面会を制限。流行が沈静化するまで継続する。

 インフルエンザの症状を訴える外来患者に対しては、かかりつけ担当科、または総合診療科で対応。佐藤隆次理事長兼院長は「発熱、頭痛、関節痛、だるさなど典型的な症状の人が多い。あまり熱がなく何となくだるいと言う人でも、調べてみるとインフルエンザ陽性だった場合があった」と診察状況を振り返る。

 高齢者は1度の注射で済むようにし、比較的若く体力のある人にはタミフルなどの経口薬や吸入薬を処方している。佐藤院長は「手洗い、うがい、咳エチケットなどは有効。徹底するとインフルエンザに限らず、ノロウイルスなど季節性ウイルス感染症の頻度も減ったデータがある」と身近な予防策を促している。

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