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地域での支援方策探る 子供の貧困対策フォーラム・盛岡 実践者らが討論

こども食堂などに取り組む関係者によるパネルディスカッションが行われた子供の貧困対策マッチング・フォーラム

 内閣府主催の「子供の貧困対策マッチング・フォーラム」は12日、盛岡市内で開かれ、講演やこども食堂・居場所づくりなどに取り組む関係者によるパネルディスカッションを通して、参加者が子供の貧困の現状を知るとともに、企業や市民にどのような支援が求められているかなどについて理解を深めた。

 フォーラムは、子供たちを支援している団体や子供の貧困に取り組んでいる企業、自治体などの事例を共有し、企業が子供の貧困に取り組む意義や目的などを見つけてもらうため、盛岡市など全国4カ所で開催しており、同日は110人が参加した。

 NPO法人3Keys代表理事の森山誉恵氏の基調講演に続いて行われたパネルディスカッションでは、こども食堂の設立や運営、居場所づくりなどに携わる企業、NPO法人、社会福祉協議会の4人がパネリストを務めた。

 企業としての子供支援への関わりについて、岩手電力の笠井健代表取締役は「従来の福祉制度では支えられないニーズがあるということを知った」とし、その上で「地域の大人がいろいろな仕事をしていることを感じることによって、地域の信頼関係や自己肯定感が生まれ、子供の将来の可能性を開くことが企業にできることの一つと感じた」と紹介した。

 盛岡市でこども食堂を運営するNPO法人インクル岩手の山屋理恵理事長は「子供の貧困は子供たちがつくっているのではなくて、私たちがつくってきた仕組みや制度がゆがんだ社会の課題を子供たちが体現している」と指摘。貧困対策については「貧困はその家にあるのではなく、その地域にある。その家の問題ではなく、地域にあるんだと認識し、私たちが何ができるかを考えなければならない」と支援の重要性を強調した。

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